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洗剤・溶解・剥離
2026.05.11
FRPの洗浄方法とイラン情勢に対応したアセトンの代替品を解説
FRPの洗浄には、一般的にはアセトンがよく使われています。しかし、2026年2月に始まるイラン情勢の悪化に伴うホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響を受けて、アセトンが手に入りづらくなりました。この記事では、FRPの洗浄方法と、イラン情勢に対応した、アセトンの代替品についてわかりやすく解説します。
FRPとは?
FRPとは、英語名のFiber-Reinforced Plasticsの略で、繊維強化プラスチックとも呼びます。プラスチック樹脂に、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維を組み合わせることで、強度や剛性を高めた複合材料です。
安価で軽量でありながら、金属に匹敵する強度を有し、耐久性や耐腐食性、絶縁性、断熱性にも優れ、複雑形状への成形が容易(設計自由度が高い)です。そのため、航空機や自動車、鉄道車両の内外装から、住宅設備機器まで幅広く使われています。
FRPは、使用する樹脂と繊維の違いによりさまざまな種類があります。それぞれ特性が異なるため、用途に応じて使い分けます。
樹脂による分類

FRPは、樹脂の種類により熱可塑性FRPと熱硬化性FRPに分かれます。
熱可塑性FRPには、熱を加えると柔らかくなり、冷やすと固くなる性質(熱可塑性)を持つポリプロピレンやポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの熱可塑性樹脂を使います。加熱したり冷却したりすることで再形成が容易で、リサイクルしやすいことなどが特徴です。
熱硬化性FRPは、熱を加えて一度硬化させると再び加熱しても柔らかくならない性質(熱硬化性)を持つ不飽和ポリエステルやエポキシ、ビニルエステル、フェノールなどの熱硬化性樹脂を使います。熱可塑性FRPに比べ、強度に優れますが、一度硬化させると再成形は困難で、リサイクルも難しいことが特徴です。
繊維による分類
FRPは、強化繊維の種類によっても分けられます。ガラス繊維と炭素繊維のほか、アラミド繊維、SiC繊維など、さまざまなものが使われています。
また、繊維の長さや形状によって、繊維を途切れず長く配置した連続繊維と、短い繊維をランダムに配置した不連続の短繊維に分けられます。連続繊維は軽量で剛性が優れますが複雑な形状には適しません。
一方、短繊維は剛性では連続繊維に劣りますが、複雑な形状に適しています。
FRPの洗浄方法とアセトン
FRPが付着した刷毛やローラー、各種容器などの洗浄では、一般的にはアセトンに漬け置きしたり、ウエスに含ませて拭き上げたりしています。アセトンは樹脂溶解力と乾燥性に優れた有機溶剤ですが有害性が高く、有機溶剤中毒予防規則(有機則)という法令で規制されている物質でもあります。
イラン情勢悪化とアセトンの供給不足
アセトンは、ベンゼンとプロピレンを化学反応させたり、IPA(イソプロピルアルコール)から水素を取り除くことなどにより製造しています。いずれの製法でも原油由来の原料に依存しています。イラン情勢の悪化に伴い、日本で使用する原油の大半が通過するホルムズ海峡が事実上封鎖されたことで、アセトンの供給不足となり、価格高騰を招いています。
詳細は別記事「イラン情勢に伴うアセトンの品薄と代替品を解説」で解説しております。
FRP洗浄用アセトンの代替品
FRPの洗浄に使うアセトンの代替品として使える、イラン情勢悪化の影響を受けにくい弊社の製品は、ファインソルブEとファインソルブCLです。それぞれの特徴は以下の通りです。※容器や刷毛の材質によっては、ご使用いただけない場合がございます。また、対象のFRPは硬化したものではなく、未硬化や半硬化のものを想定しております。
| 商品名 | 特徴 |
| ファインソルブE |
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| ファインソルブCL |
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まとめ
FRPの洗浄では、樹脂溶解力や乾燥性に優れるアセトンが広く使われてきました。しかし、国際情勢の変化により原料や物流が不安定になると、従来通りの調達が難しくなる可能性があります。特に、FRPの製造・補修現場では、刷毛やローラー、容器類の洗浄を日常的に行うため、洗浄剤の安定確保は作業効率や品質維持に直結します。アセトンに依存しすぎず、有機則・特化則への該当性、洗浄力、乾燥性、使用方法などを総合的に確認しながら、代替洗浄剤を検討しておくことが重要です。ファインソルブEやファインソルブCLは、FRP洗浄におけるアセトン代替候補として、供給リスク対策と作業環境改善の両面で有効な選択肢となります。
FRPの洗浄方法や、ファインソルブE、ファインソルブCLなどについてのお問い合わせは、下記フォームよりお願いいたします。
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