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化学用語解説 身近な有機溶剤
2026.07.31
国内のエチレン生産・供給状況とイラン情勢の影響【2026年7月31日更新】
2026年2月末のホルムズ海峡の実質封鎖以降、基礎化学品であるエチレンの原料となるナフサの調達環境は不安定な状態が続いています。国内の石油化学各社は、国内の製油所から供給される国産ナフサに加え、中東以外からの輸入や製品在庫の活用によって、供給の維持に取り組んでいます。
6月の国内エチレン生産量は28万9,100トンで、前年同月比19.1%減でした。稼働しているプラントの実質稼働率も66.5%に低下しています。ただし、生産減少にはナフサ調達の不安定化だけでなく、複数のプラントで定期修理が集中したことも影響しています。
エチレンプラントでは、エチレンのほか、プロピレンやブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの石油化学基礎製品が生産されます。これらを原料として、合成樹脂や合成ゴム、工業用溶剤、洗浄剤原料などがつくられているため、供給の混乱が長期化すれば幅広い産業に影響が及ぶ可能性があります。
国内のエチレンプラントの現状とイラン情勢の影響について詳しく解説します。
国内エチレンプラントの生産状況と見通し

国内のエチレン生産量は、3月に27万2,600トンまで減少した後、4月は28万3,500トン、5月は32万5,100トンまで回復しました。しかし、6月は定期修理が再び集中したことなどから、28万9,100トンに減少しました。
6月の生産量は前年同月比19.1%減でしたが、減少要因のうち5.8%が定期修理、13.3%が稼働率の低下によるものとされています。
石油化学工業協会によると、ポリエチレンやポリプロピレンについては、6月末時点で国内需要の約3か月分に相当する在庫が維持されています。現時点で直ちに供給困難となる状況ではなく、7月以降も平年並みの供給が見込まれています。
供給そのものは一定程度維持されている一方、原料価格への影響はすでに顕在化しています。2026年4~6月期の国産ナフサ基準価格は、1キロリットル当たり11万8,900円となり、前四半期から5万3,200円上昇しました。価格、上昇幅ともに過去最高です。
5月後半以降は代替調達の拡大などによってナフサの国際価格がいったん下落したため、7~9月期の国産ナフサ価格は前期より下がる可能性があります。ただし、7月に米国とイランの攻撃が再び激化したことで、ナフサ価格は反発しており、先行きは不透明です。
以下は国内のエチレンプラントとその生産能力です。
| 企業・グループ名 | 所在地 | 国内生産能力に占める割合 |
| 出光興産 | 千葉県市原市 山口県周南市 |
16% |
| 三菱ケミカルグループ | 茨城県神栖市 | 8% |
| 三菱ケミカルグループ・旭化成の共同運営 | 岡山県倉敷市 | 8% |
| 三井化学 | 千葉県市原市 大阪府高石市 |
16% |
| 東ソー | 三重県四日市市 | 8% |
| 丸善石油化学・住友化学の共同運営 | 千葉県市原市 | 11% |
| 丸善石油化学 | 千葉県市原市 | 8% |
| ENEOS | 神奈川県川崎市に2基 | 15% |
| クラサスケミカル | 大分県大分市 | 10% |
減産の背景はナフサ調達の不安定化と定期修理
エチレンプラントの主な原料であるナフサは、原油の精製によってつくられます。日本は原油のほぼ全量を海外からの輸入に頼っており、平時には9割を超える原油がホルムズ海峡を経由しています。
2026年2月末に米国とイスラエルがイランを攻撃し、イランが反撃したことで、ホルムズ海峡を通航する船舶が大幅に減少しました。その後、停戦や航行再開に向けた交渉が行われましたが、7月には商船への攻撃と米国によるイランへの攻撃が再び発生しています。海峡周辺の安全な航行が完全に回復したとはいえず、原油やナフサの調達を巡る不確実性は残っています。
ホルムズ海峡の通航制限を受けて、国内各社は原料在庫を維持するため、エチレンプラントの稼働率を引き下げました。一方、その後は国内で精製される国産ナフサの活用や、中東以外の地域からの代替調達が進んでいます。
政府は、7月分の原油について、前年の平月並みの調達量を確保できる見通しを示しています。8月以降については、一定の調達量が維持されることを前提に、備蓄の活用によって国内への安定供給を継続できるとの見方を示しています。
このため、春先に懸念された直近の原料枯渇リスクは一定程度緩和されています。ただし、中東情勢の再悪化や船舶の運航遅延によって、調達量が変動する可能性は残っています。
エチレンプラントで生産されるもの
エチレンプラントでは、ナフサを高温で熱分解し、エチレンやプロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの石油化学基礎製品を併産します。これらは沸点などの違いを利用して分離・精製され、主にパイプラインを通じてコンビナート内の誘導品工場へ供給されます。これらは、主にパイプラインを通じてコンビナート内にある他の工場に供給されています。
これらを加工したり、化学反応させたりすると、さまざまな中間材料ができます。たとえば、エチレンからは、プラスチックの一種であるポリエチレンのほか、塩化ビニル樹脂やエチレングリコールなどの原料がつくられます。また、プロピレンからも同様にプラスチックの一つであるポリプロピレンや、プロピレングリコール、アセトンなどができます。これらの製品は、食品包装材、自動車部品やタイヤ、家電、合成ゴム、洗剤、塗料・インキ用シンナー、各種工業用洗浄剤など、幅広い分野で使われています。
減産の影響はあらゆる産業に
トルエンやキシレンなどの石油由来製品では、春以降、出荷調整や価格上昇が発生しました。中東以外からの原料調達が進んだことで、直ちに国内供給が途絶える状況は回避されていますが、製品や販売会社によって供給状況には差があります。
経済産業省は、トルエンやキシレンなどの供給に支障が生じた事業者を対象とする供給要請の受付窓口を引き続き設けており、需給の目詰まりや一部製品の調達難には注意が必要です。
石油化学工業協会によると、ポリエチレンやポリプロピレンは、6月末時点で国内需要の約3か月分に相当する在庫を維持しています。現時点では直ちに供給困難となる状況ではなく、7月以降も平年並みの供給が見込まれています。
一方で、戦闘や海上輸送の混乱が長期化すれば、ナフサの調達価格や輸送費が再び上昇し、石油化学製品の値上げや一部製品の供給調整につながる可能性があります。
有機溶剤の代替
三協化学では、イラン情勢の悪化に伴う供給不安や価格上昇への対策として、各種有機溶剤の代替品をご提案しています。
トルエン、キシレン、メタノールの代替→「イラン情勢悪化によるトルエン、キシレン、メタノール等の品薄と代替品を解説」
IPA(イソプロピルアルコール)の代替→「イラン情勢の悪化によるIPA(イソプロピルアルコール)の品薄と代替品を解説」
酢酸エチルの代替→「イラン情勢の悪化による酢酸エチル(酢エチ)の品薄と代替品を解説」
酢酸ブチルの代替→「イラン情勢の悪化による酢酸ブチル(酢ブチ)の品薄と代替品を解説」
MEK(メチルエチルケトン)の代替→「イラン情勢に伴うMEK(メチルエチルケトン)の品薄と代替品を解説」
その他の有機溶剤の代替もご提案可能な場合がありますので、お気軽に下記リンクよりお問い合わせください。
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日本のナフサ精製化学プラントは、中東のイランやカタールのナフサを用いて、種々の石油化学原材料の精製にプラントが最適化している。けれども、よその国の代替ナフサから同じような収率で化学原材料ができない。高市政権は代替ナフサを輸入しているから、ナフサは足りていると言うけれども、化学プラントの処理能力から化学的物理的に同じ効率で産出できない。こう言うことを世間に、マスコミに公表して、政府のナフサ対策を抜本的に改善させない限り、種々の産業、従兄弟の会社のリフォーム屋、知り合いの上下水道屋は廃業してしまいます。今、政府がナフサ関連商品の目詰まりはどきかの業者業界が悪いという誤った信号を社会に流し続けて、問題の本質をすり替えているように、皆さんも感じませんか?
コメントありがとうございます。
仰る通り、一部は目詰まりが原因であることもありますが、ナフサ自体が足りていなかったり、一時的に国内のエチレンプラントの稼働率が落ちたことにより川下の製品が不足した影響もございます。
ニュースでは我々のようなシンナーメーカーがやり玉に挙げられることがありますが、問題の本質をすり替えているとは感じます。