デカヒドロナフタレンについて

デカヒドロナフタレンとは

デカヒドロナフタレンは、別名「デカリン」とも呼ばれる化合物です。

防虫剤としてよく使われる「ナフタレン」に水素を添加して作られます。これは、「テトラヒドロナフタレン」と同様の製法です。

ナフタレンの二重結合全てに水素が付加され、六角形の炭化水素が二つ並んだような構造をしています。

全ての炭素間が単結合状態なので、安全性も安定性も高い物質として、法的にも規制が少なく扱いやすい物質です。

構造は、下の図の六角形ように表せますが、実は平面構造ではなく、ぐにゃりと曲がった形をしています。

 

なお、ナフタレンは常温で白色の固体ですが、デカヒドロナフタレンは常温で無色透明の液体です。

 

 

 

デカヒドロナフタレンの用途・特徴

デカヒドロナフタレンは、身近なところではフロアワックスや靴墨に利用されています。

また、自動車燃料や潤滑油に添加されることもあります。

水に溶けず、油脂や樹脂、蝋などに溶けることから、工業分野では溶剤としても利用されています。

 

 

他の溶剤と異なる点としては、高分子ポリマーと相性がよいことです。

そのため、防弾チョッキや釣り糸などの高強度の高分子ポリマーの溶剤として利用されます。

 

反応溶剤としては、以下の点から、高温での反応に用いられています。

  • 沸点が200℃と高い
  • 反応しにくい構造をもっている

 

デカヒドロナフタレンは、毒性が低いため、トルエンやキシレン、アセトン、MEK、メチレンクロライドなどの代替溶剤としても利用できます。

有機溶剤の最新記事4件

>

記事に関するご質問はコメント欄からお問い合わせ下さい。 弊社製品に関する内容は以下のボタンから問い合わせフォームよりお問い合わせください。

CTR IMG