フラックス洗浄について②

フラックスとは

フラックス(flux)は、「主材」や「ベース」と呼ばれるものに、添加物や溶剤が加えられたものです。

はんだ付けの際に、基板などの母材にあらかじめフラックスを塗っておくと、溶けたはんだの広がりが良くなって綺麗に仕上がりやすくなる上、はんだ不良の軽減が期待できます。

 

フラックスの主要機能

フラックスには大きく3つの機能があります。

 

  • 基板や電子部品、金属表面、溶けたはんだの表面にできる金属酸化物(熱の伝導を妨げてしまう)を取り除き、はんだ付けを円滑に行えるようにするはたらき
  • はんだの表面張力を低下させ、粘り気を弱くし、はんだの流れ(濡れ)をよくするはたらき
  • 固まったはんだや母材、部品の表面をフラックスが覆うことで再酸化を抑制し、腐食による不良を防ぐはたらき

 

 

フラックスの構成成分と役割

主 材(ベース)

フラックスの主要な機能を果たす主材は、一般的にはロジンと呼ばれる松ヤニがベースです。

硬化後に装着した部品を母材に固定したり、絶縁体としてのはたらきをします。

 

添加剤

ロジンなどの主材だけでは十分に除去できない「金属酸化物」をとるために、金属酸化物を除去できる物質を微量に添加剤として混ぜます。

 

溶 剤

粘性など、フラックスの物性を調整するために添加されます。

 

 

フラックスの使われ方

多くの「糸はんだ」には、中央部分にフラックスが内蔵されています。

しかし、それだけでは十分でない場合など、フラックスを追加してはんだ付けすることもあります。

 

 

また、はんだの粉末とフラックスを混ぜ合わせると「クリームはんだ(ソルダーペースト)」と呼ばれるものになります。これを、基板に重ねた「メタルマスク」の上から押しつけることで、メタルマスクにあいた孔から基板上に任意の形ではんだを乗せることができます。これを加熱すると、ペーストだったはんだが硬化し、部品が固定されるのです。

 

 

 

フラックス使用上の注意

特に電子回路の製造において、フラックスは欠かすことのできないものです。

しかし、必要以上に塗布すると、活性剤が原因で母材の金属やはんだを侵したり、フラックスが水分を吸収してしまい絶縁性が低下する恐れがあります。こうなってしまうと、不具合の発生原因になりかねません。

 

そのため、最終的にアセトンやIPA(イソプロピルアルコール)などの洗浄剤で、余分なフラックスを洗浄します。

合わせて読みたい!

アセトンについて

IPAについて

上の記事をご覧いただければわかる通り、

アセトンもIPAも、「有機溶剤中毒予防規則(通称:有機則)」に該当する物質です。

そのため、それらに代わる製品も多く販売されています。

 

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