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有機溶剤
2017.04.20
メタノールについて
メタノールとは
メタノールはアルコール系溶剤の一つで、別名、メチルアルコール、メチール、木精、とも呼ばれます。
化学式はCH3OHです。
理科室などでよく見かける「ホルマリン漬け」のホルマリンの原料になったり、アルコールランプなどに使われることが多いです。
また、最近は燃料電池の水素供給源としても注目を集めています。
メタノールとエタノールの違い
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メタノールとエタノールの違いの一つは、製造方法にあります。
メタノールはその別名の通り、木材から精製していた為「木精」と呼ばれています。
最近では天然ガスや石炭ガスを精製することによって作っています。
一方で、エタノールはデンプンや糖を発酵させて作ったり、エチレンを原料に触媒を使った水和反応で作っています。
また、大きな違いとして、メタノールは人体に有害です。
一部のエタノールはお酒の中にも含まれており飲まれることもあると、エタノールの紹介記事でも書きましたが、メタノールは全て、絶対に飲んではいけません。
特に視神経にダメージを与えることが有名で、一部では「メチル(目散る)アルコール」とも言われるほどです。
摂取してしまうと失明の危険性だけでなく、最悪死に至る可能性もありますので、十分に注意して下さい。
メタノールの危険性
絶対に飲んではいけない
前述の通り、メタノールは絶対に摂取してはいけません。
エタノールの場合、摂取すると体の中の「酵素」によって酸化され、「アセトアルデヒド」という物質になります。
メタノールの場合は、酵素による酸化で「ホルムアルデヒド」という物質になります。
アルデヒドはどちらも有害なのですが、そこから更に酵素によってそれぞれ、
「アセトアルデヒド」は「酢酸」に
「ホルムアルデヒド」は「蟻酸」に分解されます。
酢酸はご存知の方もいると思いますが、「お酢」の酸味の主成分となるものです。
(ただ、このとき全てが分解しきれないとアセトアルデヒドが残ってしまい、それが二日酔いの頭痛や吐き気の原因になります)
蟻酸は酢酸とは対照的に有害で、これこそがメタノールを飲んではいけない原因なのです。
その漢字の通り、昆虫のアリの一部の種類が持っている毒で(※全てのアリが持っているわけではない)
この毒を外敵にかけて獲物を捕まえたり、身を守ったりします。
皮膚を損傷したり、体内に毒が入ると視神経を侵してしまうなどの症状がでます。
そのため、メタノールを摂取してしまうと体内で蟻酸が生じ、その毒で問題を起こしてしまうのです。
引火性が高い
メタノールはアルコール類の中でも最も引火点・沸点が低い溶剤です。
沸点が低く、揮発しやすい上、常温でもすぐに火がついてしまいます。
また、メタノールに火が付いた際の炎は、エタノール同様青白く見えづらいため、発火していてもすぐに気付けず発見・消火が遅れ大参事になることも考えられます。
火気にはくれぐれも気を付けるとともに、メタノールの蒸気が充満しないよう、しっかり換気をしてください。
もし発火してしまったら
水で消火、または窒息消火します。どちらでも大丈夫です。
炎が見えづらい為、特に明るい場所では火がまだついているのか鎮火したのか分かりづらいため、陽炎のような空気の揺らめきなどにも注意して念入りに消火することが大事です。
保管について
メタノールは劇物であり、引火の危険もあるため、密閉した容器に入れ、鍵の掛かる場所で施錠して保管します。
万が一にも、容器が密閉しきっておらず中身が揮発し保管所内にメタノールが充満することのないように換気も徹底してください。
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