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化学規制
2024.11.27
消防法とは?該当する有機溶剤、指定数量の考え方などもわかりやすく解説
火災の予防などに関する法律である消防法と、有機溶剤との関わり、指定数量の考え方などをわかりやすく解説します。
目次
消防法とは?
消防法とは、火災の予防や警戒、消火活動、災害でけがをした人の搬送を適切に実施するため、建物などの防火、消防上必要な規制を定めた法律です。
引火性の液体は消防法で規制されます。一般的に洗浄や溶解で使う有機溶剤のほとんどは引火性がある液体ですので、消防法の規制対象です。
消防法上の危険物
消防法では、火災・爆発を起こす恐れがある物質を危険物として定め、性質ごとに以下の表のように第1~6類に分類しています。
消防法 危険物
※「▼」をクリックすると表が開きます。
| 類別 | 性質 | 状態 | 品名 |
| 第1類 | 酸化性固体 | 固体 | 1 塩素酸塩類 |
| 2 過塩素酸塩類 | |||
| 3 無機過酸化物 | |||
| 4 亜塩素酸塩類 | |||
| 5 臭素酸塩類 | |||
| 6 硝酸塩類 | |||
| 7 よう素酸塩類 | |||
| 8 過マンガン酸塩類 | |||
| 9 重クロム酸塩類 | |||
| 10 その他のもので政令で定めるもの | |||
| 11 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの | |||
| 第2類 | 可燃性固体 | 固体 | 1 硫化りん |
| 2 赤りん | |||
| 3 硫黄 | |||
| 4 鉄粉 | |||
| 5 金属粉 | |||
| 6 マグネシウム | |||
| 7 その他のもので政令で定めるもの | |||
| 8 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの | |||
| 9 引火性固体 | |||
| 第3類 | 自然発火性物質および禁水性物質 | 固体または液体 | 1 カリウム |
| 2 ナトリウム | |||
| 3 アルキルアルミニウム | |||
| 4 アルキルリチウム | |||
| 5 黄りん | |||
| 6 アルカリ金属(カリウム及びナトリウムを除く。)及びアルカリ土類金属 | |||
| 7 有機金属化合物(アルキルアルミニウム及びアルキルリチウムを除く。) | |||
| 8 金属の水素化物 | |||
| 9 金属のりん化物 | |||
| 10 カルシウム又はアルミニウムの炭化物 | |||
| 11 その他のもので政令で定めるもの | |||
| 12 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの | |||
| 第4類 |
引火性液体 |
液体 |
1 特殊引火物 |
| 2 第1石油類 | |||
| 3 アルコール類 | |||
| 4 第2石油類 | |||
| 5 第3石油類 | |||
| 6 第4石油類 | |||
| 7 動植物油類 | |||
| 第5類 | 自己反応性物質 | 固体または液体 | 1 有機過酸化物 |
| 2 硝酸エステル類 | |||
| 3 ニトロ化合物 | |||
| 4 ニトロソ化合物 | |||
| 5 アゾ化合物 | |||
| 6 ジアゾ化合物 | |||
| 7 ヒドラジンの誘導体 | |||
| 8 ヒドロキシルアミン | |||
| 9 ヒドロキシルアミン塩類 | |||
| 10 その他のもので政令で定めるもの | |||
| 11 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの | |||
| 第6類 | 酸化性液体 | 液体 | 1 過塩素酸 |
| 2 過酸化水素 | |||
| 3 硝酸 | |||
| 4 その他のもので政令で定めるもの | |||
| 5 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの |
有機溶剤は第4類危険物の引火性液体に該当するものが多いです。(メチレンクロライドやトリクロロエチレンなど例外もある)
さらに第4類危険物は引火点によって以下のように分けられます。※引火点とは、火を近づけたときに火が付く最低の温度です。引火点について詳しく知りたいという方は関連記事の「引火点と発火点」でわかりやすく説明しているので併せてお読みください。
第4類危険物 ※「▼」をクリックすると表が展開されます。
| 分類 | 引火点 | 該当する主な有機溶剤 |
| 特殊引火物 | -20℃以下 | ジエチルエーテル |
| 第1石油類 | 21℃未満 | トルエン、アセトン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、MCH(メチルシクロヘキサン)、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、酢酸エチル、酢酸ブチル |
| アルコール類 | 11~23℃程度 | メタノール、エタノール、IPA(イソプロピルアルコール)、NPA(ノルマルプロピルアルコール) |
| 第2石油類 | 21℃以上70℃未満 | キシレン、灯油(ケロシン)、ノルマルデカン、シクロヘキサン(アノン)、PM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、ブチルセロソルブ |
| 第3石油類 | 70℃以上200℃未満 | ベンジルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチルカルビトール 、NMP(N-メチル-2-ピロリドン) |
| 第4石油類 | 200℃以上250℃未満 | 潤滑油、切削油、プレス油等 |
一般的に洗浄・溶解に使われる有機溶剤は、第1、2、3石油類、アルコール類のものが多いです。
消防法の指定数量とは?

この指定数量を超えて危険物を保管すると消防法の規制を受けます。
指定数量の5分の1以上、指定数量未満の危険物は少量危険物とされ、各市町村の火災予防条例が適用されます。少量危険物は危険物取扱者でなくても取り扱いができます。ただし消防署への届け出は必要です。
※少量危険物の範囲は各市区町村条例によって異なる場合があります。事業所のある自治体の条例を確認してください。
また、指定数量の5分の1未満の危険物は、少量危険物未満と呼びます。各市区町村条例の規制を受けず、消防署への届け出も不要です。
指定数量は、以下の表の通りです。
消防法上の指定数量 ※「▼」をクリックすると表が展開されます。
| 分類 | 引火点 | 性質 | 指定数量 |
| 特殊引火物 | -20℃以下 | 50L | |
| 第1石油類 | 21℃未満 | 非水溶性 | 200L |
| 水溶性 | 400L | ||
| アルコール類 | 11~23℃程度 | 400L | |
| 第2石油類 | 21℃以上70℃未満 | 非水溶性 | 1000L |
| 水溶性 | 2000L | ||
| 第3石油類 | 70℃以上200℃未満 | 非水溶性 | 2000L |
| 水溶性 | 4000L | ||
| 第4石油類 | 200℃以上250℃未満 | 6000L |
第1、2、3石油類は非水溶性と水溶性の違いにより指定数量が異なります。
水溶性は、非水溶性の2倍となっています。
指定数量の計算方法
1種類の有機溶剤を保管する場合は上の表の通り、指定数量未満まで消防法の規制を受けずに保管できます。
アセトンを例に考えると、アセトンは消防法第4類石油類水溶性に分類されるので、400L未満までは消防法の規制を受けません。
2種類以上の有機溶剤を保管する場合は、少し複雑になります。
以下の溶剤3種類を保管しているとします。
①アセトン 消防法第4類第1石油類水溶性(指定数量:400L)
②灯油(ケロシン) 消防法第4類第2石油類非水溶性(指定数量:1000L)
③エチレングリコール 消防法第4類第3石油類水溶性(指定数量:4000L)
これを単純に合計して 400L+1000L+4000L=5400Lまで貯蔵できる…わけではありません。
2種類以上の有機溶剤を保管するときは、それぞれ指定数量の何倍かを計算し、その合計が1を超えないようにしなければなりません。
例えば、アセトンの一斗缶(16L)を18缶、灯油の一斗缶(18L)を10缶、エチレングリコールのドラム缶(200L)を1ドラム保管するとします。
アセトン 16(一斗缶容量)×18(缶)÷400(指定数量)= 0.72
灯油(ケロシン) 16(一斗缶容量)×10(缶)÷1000(指定数量)= 0.16
エチレングリコール 200(ドラム缶の容量)×1(本)÷4000(指定数量)= 0.05
合計すると、0.72+0.16+0.05=0.93
1未満なので消防法の規制対象外です。
指定数量以上の危険物の取り扱い・貯蔵の方法は?

- 許可を得た製造所・貯蔵所(危険物倉庫)・取扱い所で取り扱うこと(これ以外の場所は禁止)
- 該当する資格をもつ危険物取扱者が監督すること(引火性のある有機溶剤を取り扱う場合は対応する資格取得者が必要です)
危険物倉庫とは?
指定数量以上の危険物の保管には、危険物倉庫が必要です。
危険物倉庫は通常の物置とは異なり、以下のような条件が定められています。
危険物倉庫(屋内貯蔵所)の条件 ※「▼」をクリックすると表を展開します。
- 危険物倉庫として独立した専用の建築物とすること。
- 高さを6m未満、床面積を1000m2未満とすること。
- 壁、柱、床及びはりを耐火構造とすること。
- 屋内貯蔵所と表示した標識、防火に必要な事項を掲示した掲示板を設けること。
- 貯蔵倉庫は、独立した専用の建築物とすること。
- 屋根を金属板等の不燃材料で造り、軽量な不燃材料でふくこと。
- 窓及び出入口には、防火設備を設ける。
- 窓や出入口のガラスは網入ガラスとすること。
- 床面に水が浸入し、浸透しない構造とすること。
- 床に適当な傾斜を付け、貯留設備を設けること。
- 作業に必要な採光、照明及び換気の設備を設けること。
- 引火点が70℃未満の危険物を保管する場合、内部に滞留した蒸気を排出する設備を設けること。
さらに指定数量の何倍保管するかによって、保有空地の幅が変わります。
※保有空地とは、火災時に迅速な消火活動ができるようにするためと、周辺の建物や木々に火が燃え移らないようにするための空き地です。

そるぶ
保有空地について詳しく知りたい方は、総務省消防庁の資料「保有空地の基準について」を見てね!※PDFが開きます。
危険物倉庫を新築すると、まず管轄消防署との事前協議、その後、危険物倉庫設置許可の申請、設置許可書の受領、着工、完成後の消防署の検査という大変手間のかかる行程が必要になります。
上記のように指定数量以上の危険物を保管しようとすると、危険物倉庫を設けなければならず、事業者にとっては大きな負担となります。。
危険物取扱者とは?

大別すると甲種、乙種、丙種の三つがあります。甲種はあらゆる危険物の取り扱いや立会いが可能ですが、実務経験2年以上や大学で化学に関する学科を卒業していることなどの条件を満たしていないと受験することができません。合格率は3~4割で、受験料は1回7200円です。
乙種は、危険物の第1~6種の中で試験に合格した類の危険物のみ取り扱えます。乙種第4類の受験料は1回5300円です。合格率は3~4割です。
丙種は、ガソリンや灯油、重油、軽油、引火点130℃以上の第3石油類・第4石油類、動植物油の取り扱いに限定されています。また、甲乙種で認められている無資格者への立ち会いもできません。
消防法非該当(非危険物)の溶剤を使うメリット
危険物に該当する有機溶剤を使用する場合には上記で述べてきたさまざまな規制を考慮しなければなりません。
非危険物である弊社の消防法非該当有機溶剤を使うと、敷地内の指定数量を超えてしまいそうだ、危険性のリスクアセスメント対策、賃貸契約で危険物を持ち込めないなど、さまざまな事例を解決できます。
弊社では用途別に消防法非該当品を多数ご用意しております。
現在、危険物を使っており何らかの問題や不安を抱えていらっしゃる場合は、弊社お問い合わせ欄からお気軽にご相談ください。
用途や条件をヒアリングさせて頂いた上、最適な製品をご提案させて頂きます。

そるぶ
三協化学の有機則非該当製品の情報は「三協化学製消防法非該当洗浄剤一覧」を見てね!
消防法について、詳しい内容やご質問・ご相談がございましたらお気軽に下記リンクよりお問い合わせください。
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作業場で危険物貯蔵量が指定数量の5分の1以上を超えるため少量危険物届出を行う予定でおります。そこで指定数量の倍数計算をするにあたり、保管容器で貯蔵している量と、設備の中で使用中の量とを合算して倍数計算をすれば宜しいのか、ご教授願います。
>>藤本典克様
コメントありがとうございます。
管轄の消防署によって、計算方法が異なる場合がございます。
そのため、お手数ですが管轄の消防署様にお問い合わせくださいませ。
ご質問させてください。
建屋で指定数量が0.2未満の場合、届け出が必要ないとのことですが
建屋に個人が一時的に危険物(制汗材スプレー等)を持ってきた場合、社員が多いと一時的に
0.2を超える可能性もあると思います。このような個人の持ち物はどのような扱いになるのでしょうか。
質問の意図は指定数量0.2未満を担保するためにどこまでを調査範囲に入れるべきか困っています。
>>T.K.様
コメントありがとうございます。
少量危険物は建屋によって分けたり致しますので
詳しくは管轄の消防署にお尋ねになることをお勧め致します。
いつもお世話になっております。
お忙しいところすみませんが教えていただけると幸いです。
弊社、微量危険物(指定数量の5分の1未満)を工場内保管しております。この微量危険物に空地は必要なのでしょうか。新しい建屋内に微量危険物を3か所配置したいと考えております。微量危険物同士の距離は10m以上離れています。
これについてよいのか悪いのか調べても見つからず困っておりました。
どうぞよろしくお願いします。
>>成田文絵様
コメントありがとうございます。
管轄する消防署の見解にもよりますが、同一建屋内だと合算した数量で考える場合もあります。
合計数量にもよりますが、詳しくは管轄の消防署様へご相談ください。
はじめまして。教えてください。
第一石油類の廃液ですが、水溶性と非水溶性の廃液が混ざる場合、指定数量は規制の厳しい方(200L)で計算するのでしょうか?
危険物少量取扱所で、新たに非水溶性の溶剤を使うことになったのですが、明示変更をします。少量取扱の指定数量内でしたら届出は必要無いでしょうか?
>>指定数量様
コメントありがとうございます。
危険物第四類の水溶性液体とは、1気圧において温度が20℃で、同量の水とゆるやかにかき混ぜた場合に流動が治まったあとも当該混合液が均一な外観を維持するものです。
この判定方法で、非水溶性か水溶性かご判断頂き、消防法に従ってください。
はじめまして、教えていただけると幸いです。
第3石油類の廃油を容器に入れて保管したのですが、一斗缶やペール缶を使用しても構わないでしょうか。また、使用できる場合「UN/KHK」規格の物を使用しなければならないのでしょうか?お忙しいと思いますが、ご教授願います。
>>廃油容器様
コメントありがとうございます。
廃棄される場合も、安全性の観点から、規格の容器をお使いいただくことをお勧め致します。
本記事で記載されている内容からは外れますが、ご回答いただけると幸いです。
危険物を車両で「運搬」する場合、数量に関係なく消防法の規制を受ける、というのが原則だというのは存じております。規制下限値を規定しているような法令等は存在しないのでしょうか?
極端な話、数十ml程度のチューブ等に入った危険物に該当する接着剤等でも車で運搬する場合、消防法の規制対象になるのでしょうか?
二重投稿になっていたらすみません。
危険物の車両による運搬について質問させてください。運搬については、数量に関係なく消防法の規制対象となっていますが、その下限量を規定した法令等はないのでしょうか?
極端な話、数十mlのチューブに入った第三石等の接着剤でも規制対象となるのでしょうか?接着剤メーカーさんはそれを考慮して、98%以下の収納率で注入しているのでしょうか?
何卒よろしくお願いいたします。
>>BOAR SOUND様
コメントありがとうございます。
運搬方法については「危険物の規制に関する政令」第三十条にある通り
指定数量以上の危険物を車両で運搬する場合については、定めがありますが
それ未満の場合は、特に法令での指定はございません。
ご回答ありがとうございます。
運搬方法についてはそのように理解しておりますが、運搬容器等の基準については適用されると認識しています。その辺りは他の法令等で基準が示されているということでよろしいでしょうか?先日、以下のリンクを見つけました。
https://www.fdma.go.jp/relocation/kasai_yobo/about_shiken_unpan/unpan_kokuji.html
>>BOAR SOUND様
そのリンクの内容で、誤りありません。
小容量であれば、特例が適用されます。
御礼が遅くなり失礼しました。ご回答ありがとうございました。
実際の計量について教えてください。
重さを量って届け出数量以下に収めているのですが、
計量ではなく容器の容量で計算
(例えば一斗缶に半量の9リットルだったとしても、18リットルで計算)
すべきとの意見がありました。
どちらが正しいのでしょうか。
>>しげぼー様
コメントありがとうございます。
基本的には内容量で計算しますが、
迷った場合やご不安な場合は、管轄の消防署様にご相談ください。
指定数量のカウントの仕方について教えてください。
ポリマーのメタノール湿粉を乾燥し、メタノールを留去・回収するという工程があります。
ポリマーのメタノール湿粉自体は、確認試験にて第2類引火性固体であることが分かっています。
この第2類引火性固体を乾燥する際、数量のカウントは引火性固体のみで良いでしょうか?
回収したメタノールを取扱い量としてカウントした場合、元々は引火性固体に含まれていたものなので、ダブルカウントになってしまうかと思います。
コメントをいただきたく、宜しくお願いいたします。
指定数量のカウントの仕方について教えてください。
ポリマーのメタノール湿粉を乾燥し、メタノールを留去・回収するという工程があります。
この湿粉自体は、確認試験にて第2類引火性固体であることが分かっています。
この引火性固体を乾燥する際、取扱数量のカウントは引火性固体のみで良いでしょうか?
回収したメタノールを取扱量としてカウントした場合、元々は引火性固体に含まれていたものなので、ダブルカウントになってしまうかと思います。
コメントをいただきたく、宜しくお願いいたします。
>>HH様
コメントありがとうございます。
管轄の消防署によって、指示が異なる場合がございますが、
おそらく取扱いの厳しい方の指定数量になるかと思います。
ABWで換算すると60%が危険物でABVで表記すると何%危険物でしょうか?
>>Mash様
コメントありがとうございます。
恐れ入りますが、エタノールのことを仰っていますでしょうか。
エタノールのことであれば、下記の通り67.7%となります。
(第四類でも違うアルコール類が混ざっていたら下記のリンク先の表の通りにはなりません)
https://www.pmda.go.jp/files/000163417.pdf
また、法令上はあくまで重量%をベースと致しますので、ご注意ください。