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化学用語解説
2026.08.06
引火点と発火点の違いは?有機溶剤の安全管理の観点からわかりやすく解説
シンナーや洗浄剤など有機溶剤を安全に取り扱うには、引火点と発火点の違いをそれぞれ理解することが大切です。よく混同しがちな、この2つの言葉について、わかりやすく解説します。
目次
引火点とは
引火点とは、可燃性の液体や固体から出る蒸気に火花や炎などの点火源(火種)を近づけたときに、火がつく最低の温度です。この温度になると、物質は外部の点火源により燃え始めますが、火源がなければ燃えません。また、引火点以下の温度であれば、たとえ点火源を近づけたとしても火はつきません。
燃焼点とは?
引火点とあわせて押さえておきたい言葉に、燃焼点があります。
燃焼点とは、点火源を近づけたときに、一時的に火がつくだけでなく、その燃焼が5秒以上燃え続ける最低温度のことです。一般に、引火点よりも高いです。
発火点とは?
発火点は、外部の点火源がなくても、物質が自ら発火する最低の温度です。可燃性の物質は、温度が高くなると化学反応が進み、火がなくても自然に発火します。一般に、発火点は引火点や燃焼点よりも著しく高いことが多いです。
引火点と発火点と燃焼点の違い
引火点と発火点、燃焼点の温度の高さの関係をまとめると以下のようになります。
引火点<燃焼点<発火点
それぞれの違いを整理すると以下のようになります。
| 引火点 | 燃焼点 | 発火点 | |
| 定義 | 点火源を近づけたときに火がつく最低温度 | 点火源を近づけたときに5秒以上燃え続ける最低温度 | 点火源がなくとも、自ら燃え始める温度 |
| 点火源 | 必要 | 必要 | 不要 |
| 燃え方 | 火がつく | 燃え続ける | 自然に燃える |
有機溶剤を取り扱う際は引火点と発火点を要確認
有機溶剤を取り扱う際は、引火点についての理解が特に重要です。引火点が低い有機溶剤ほど、可燃性の蒸気が発生しやすいため、静電気などの火気による火災の恐れが高まります。
一方で、発火点も高温設備や加熱工程、保管環境の管理に関わる重要なものです。
取り扱う前に、引火点と発火点をSDSで確認するようにしましょう。
SDSの見方
SDSは安全データシートのことで、化学物質の物理化学的性質や危険性、有害性、取り扱いなどに関する情報をまとめた文書です。様式が決まっており、引火点と発火点は、16ある項目のうち第9項に記されています。また、適用法令も第15項に記載されているため、あわせて確認するようにしましょう。
SDSについては、別記事「安全データシート(SDS)とは?内容や読み方、入手方法などを解説」で詳しく解説しておりますので、併せてお読みください。
引火点と消防法の関係
有機溶剤など引火性のある液体は、消防法では、主に第4類危険物として規制されています。第四類危険物は、引火点が低いもの(燃えやすいもの)から順に第一石油類、第二石油類、第三石油類などに分けられています。
消防法の適用を受ける危険物の量として、指定数量というものが、分類ごとに定められています。
詳しくは、別記事「消防法とは?該当する有機溶剤、指定数量の考え方などもわかりやすく解説」で説明しておりますので、あわせてお読みください。
発火性とセタン価、オクタン価
軽油とガソリンを比較すると、発火性に対する考え方の違いがよくわかります。
軽油は発火性の高さをセタン価というもので表します。軽油で動くディーゼルエンジンは、圧縮により高温になった空気中に軽油を噴射し、燃焼させます。そのため、軽油は自然発火しやすい方が望ましいとされ、発火性の高さ(燃えやすさ)を表すセタン価を使います。
一方、ガソリンは発火性の低さをオクタン価で表します。ガソリンエンジンでは、意図しないタイミングでの異常な燃焼が起こるノッキングの原因となり、エンジンにダメージを与えてしまいます。そのため、ガソリンは発火性の低さを表すオクタン価を使います。
ガソリンスタンドでよく目にする「ハイオク」とは、ハイオクタン価、つまりオクタン価が高く、燃えにくいガソリンのことです。
まとめ
引火点・燃焼点・発火点は、いずれも物質の燃えやすさを理解するうえで重要な指標です。特に有機溶剤を扱う現場では、引火点が低いほど火災リスクが高まるため、火気や静電気、換気、保管方法に十分注意する必要があります。
また、発火点は高温設備や加熱工程での安全管理に関わり、燃焼点は火がついた後に燃え続ける性質を理解するうえで役立ちます。シンナーや洗浄剤などを使用する際は、事前にSDSで各温度や消防法上の分類を確認し、適切な保管・取り扱いを行うことが大切です。
引火点や発火点などについての疑問や質問は、下記リンクよりお気軽にお問い合わせください。
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