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化学用語解説 身近な有機溶剤
2026.08.07
ナフサとは?用途やイラン情勢の影響などをわかりやすく解説
イラン情勢の悪化に伴い、よく耳にするようになったナフサ。実はナフサは、単なる石油製品ではなく、プラスチックや合成ゴム、合成繊維、塗料、インキ、接着剤など私たちの身の回りのさまざまな製品の出発点になっている重要な物質です。ナフサについて、基礎知識からイラン情勢の影響まで、わかりやすく丁寧に解説します。
ナフサとは?

ナフサとは、原油を精製してできる無色透明の液体で、石油製品の一つです。ガソリンに近い性質を持ち、粗製ガソリンとも呼びます。
地下深くから採掘した原油には、さまざまな成分が混ざり合っています。これを加熱炉で350℃以上に熱して沸点の違いを利用して、原油をLPガスやガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油、アスファルトなどに分けます。これを蒸留と言います。
こうして作られたナフサは、エチレンプラント(ナフサ分解工場、ナフサクラッカー)という設備で、分解炉で熱分解され、重さによって、エチレンやプロピレン、ブタン・ブテン留分(B-B留分:更に分解するとブタジエンなどが取り出せる)、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの石油化学基礎製品に分けられます。石油化学基礎製品は、プラスチックや合成繊維、合成ゴム、合成洗剤、工業用洗浄剤、シンナー、塗料などの原料となる石油化学誘導品(中間製品)を生産します。
中間製品は、さらに、パソコンやスマートフォン、家電製品、食品トレー、自動車の内装やバンパー、洋服、建築資材など、私たちの身の回りにあるものを含めあらゆるものに加工され、さまざまな分野で使われています。
ナフサから作られる主な物質と用途
ナフサから作られるさまざまな物質のうち、主なものとその用途は以下の通りです。
| 物質名 | 主な用途 |
| エチレン |
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| プロピレン |
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| ブタジエン |
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| ベンゼン |
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| トルエン |
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| キシレン |
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有機溶剤の多くがナフサ由来
有機溶剤の大部分が、ナフサを熱分解してできるエチレンやプロピレン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの基礎化学品をもとに作られています。ナフサから作られる代表的な有機溶剤は、以下の通りです。
| 原料 | 有機溶剤 |
| エチレン | エチレングリコール、ブタノール、酢酸エチル、エチレンオキサイド(EO)など |
| プロピレン | アセトン、イソプロピルアルコール(IPA)、ブタノール、プロピレンオキサイド(PO)など |
| ブタジエン | 1,4ブタジオール、THF、GBL、NMPなど |
| ベンゼン | シクロヘキサン、スチレン、シクロヘキサノンなど |
| トルエン | トルエンそのものが有機溶剤 |
| キシレン | キシレンそのものが有機溶剤 |
※EOやPOは有機溶剤ではありませんが、有機溶剤の原料となります。
イラン情勢の影響

米国とイスラエルが2026年2月末にイランを攻撃したことにより、ホルムズ海峡は事実上封鎖されました。ホルムズ海峡はイランとオマーンの間に位置する重要な海上交通路であり、日本が使用する原油の8割以上がこの海峡を通過していました。
その影響により、ナフサを原料とする国内のエチレンプラントでは、原料の安定確保が難しくなり、3月から減産が始まりました。不足するナフサを補うため、米国など中東以外からの輸入も進められていますが、価格は大きく上昇し、一時は通常時の2倍近くまで高騰しました。
つまり、ナフサは「お金を出せば確保できる」状態ではあるものの、高値で無理に調達してまで生産量を維持しづらい状況にあります。過去にはリーマン・ショック時に、原料高のなかで生産した在庫が、需要の急減によって積み上がり、化学大手が評価損などで危機に陥った事例もありました。そのため現在は、生産を抑えながら在庫を取り崩して対応している状況です。
このようなナフサの供給不安と価格高騰は、ナフサ由来の有機溶剤やシンナー、塗料、プラスチック製品などの安定供給にも悪影響を及ぼしています。
BCPという考え方
供給不安が起きてから代替品を探すのではなく、自然災害やテロ、システム障害などの緊急事態を想定し、損害を最小限に抑え、事業の継続と早期復旧のための事前計画を、平時のうちから定めておくことが大変重要です。この事前計画を、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)と呼びます。
緊急事態は突然発生します。その際、迅速に適切な施策を打てなければ、多大な損害を受けて廃業に追い込まれる恐れや、事業を縮小し従業員の解雇を検討しなければならなく恐れがあります。こうした事態を避けるため、平常時からBCPを周到に準備することが必要です。
BCPに取り組むことは、顧客からの信用を向上させ、市場関係者から高い評価を受けることにもつながります。
具体的には、仕入先を一つに絞るのではなく、単に仕入れ先を複数に増やしたり、原料起点の異なる材料を検討したりするが大変有効です。
イラン情勢の影響を受けにくい溶剤
三協化学では、用途や必要性能に応じて、既存品の代替品や原料起点の異なる溶剤をご提案できます。イラン情勢の影響を受けにくい弊社の溶剤は次の通りです。
| 商品名 | 代替可能な有機溶剤 | 特長 |
| エタコール7 | IPA、メタノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、無水エタノール、特定アルコール他 |
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| ファインソルブE | アセトン、ジクロロメタン(塩化メチレン)、MEK(メチルエチルケトン)、MIBK(メチルイソブチルケトン)、シンナー、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、メチルセロソルブ他 |
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まとめ
ナフサは、単なる石油製品ではなく、プラスチックや合成繊維、塗料、シンナー、有機溶剤など、私たちの暮らしや産業を支える多くの製品の出発点となる重要な原料です。そのため、ホルムズ海峡の封鎖のような国際情勢の変化は、石油化学業界だけでなく、幅広い分野へ大きな影響を与えます。
こうした供給不安の時代には、必要な原料や溶剤を安定的に確保するため、平常時から代替品や複数の調達手段を検討しておくBCPの考え方がますます重要になります。
用途によっては、原料起点の異なる溶剤や、既存溶剤の代替品を活用することで、供給リスクの低減につながる場合もあります。将来の不測の事態に備えるためにも、日頃から安定調達や代替材料について検討しておくことが大切です。
三協化学では、イラン情勢の影響を受けにくく、BCP対策として有効なエタコール7やファインソルブEなどの溶剤を取り扱っております。洗浄力や乾燥性、臭気、安全性など、現場の条件に合わせた製品選定についても、下記リンクよりお気軽にご相談ください。
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