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有機溶剤
2017.02.03
エタノールについて
目次
エタノールとは
エタノールはアルコールの一つで、別名、エチルアルコールや酒精とも呼ばれます。
化学式はC2H6O、炭素(C)が2つ、水素(H)が6つ、酸素(O)が一つからできています。
構造式は右のようになります。(構造式の上のものは略式)
溶剤の中でも身近なところで使われる機会の多い物質で、殺菌・消毒剤として、食品添加物として、燃料としても活躍しています。
揮発性が高いので保管時は必ず容器を密閉し、冷暗所で保管して下さい。発火点は400℃ですが、引火点が約13℃ということで低いので火気には十分注意が必要です。
エタノールが燃えると、炎は青白くなります。
↓暗い所で見た炎↓ | ↓明るい所で見た炎↓ |
赤い炎よりも見えづらく、燃えているということにも気が付きづらいので、発見が遅れたり、あるいは消えたと思っても実は消えていなかった、ということで事例も過去にあります。
身近で、一般家庭でも使う機会の多い溶剤なので、加えて注意しましょう。
「酒精」と呼ばれる通り、お酒もエタノールが含まれています。
ただ、エタノールにはいくつかの種類があり、飲用でないエタノールもあるので、こういった種類のエタノールは絶対に飲んではいけません。
アルコールについて
エタノールはアルコールの一つ、と冒頭でも書きました。
アルコールに該当する化学物質は他にもあって、「メタノール」や「イソプロピルアルコール(IPA)」もアルコールと呼ばれます。
生活する中で一般的に聞かれるアルコールは “飲用の酒類” なことが多いですが、それだけではないということに注意が必要です。
エタノールの分類
製造方法による分類
エタノールは、原料・製造方法によって、2種類に分けられます。
◎合成エタノール
合成エタノールはエチレンガスの水和反応によって製造する方法です。
インクや塗料、接着剤、農薬、化粧品などに使われ、食品には使用できません。
◎発酵エタノール
天然の原料(サトウキビ等)から製造する方法で作られるエタノールのことです。
食品の防腐用や調味料、飲食品に使われます。
規格による分類
◎99度 :エタノール分99.5vol%以上
◎95度 :エタノール分95.0vol%以上
※99度は無水物、95度は水を少量含有しています。
※99度・95度、それぞれに工業用・試薬(特級)、試薬(1級)の規格があります。
◎消毒用 :エタノール分 約76~81vol%
※日本薬局方に基づいたものでないと使用できません。
アルコール事業法による分類
◎特定アルコール
:酒税がかかっているもの
許可を受けずに誰でも購入して、自由に使うことができます
◎一般アルコール
:酒税相当の賦課金がかかっていないもの(免税)
免税するには、経済産業省に申請して使用許可を貰い、数量や使用用途などの細かい記録を保存して経済産業省に報告しなければいけません。
◎変性アルコール
:酒税相当の賦課金がかかっていないもの
酒税を外すことを目的として製造され、飲用できなくなっています。エタノールを主成分とした、混合溶剤です。
基本的に、エタノール分は90%以下で、添加剤が1種類以上加えられています。
エタノールの基本情報
エタノールの各種法規情報や沸点などの基本情報はこちら↓
https://www.sankyo-chem.com/tantai/Ethanol%20hensei1.html
※2020年3月26日追記
エタノール(=エチルアルコール)とアルコールの違い
よくお問い合わせでエタノールとアルコールはどう違うんですか?という質問が多かったので追記します。
(記事の冒頭にも書きましたが)エタノールはアルコールの一種です。
エタノールはアルコールです。一方でアルコールはエタノールだけではありません。
ほかにも、IPA(イソプロピルアルコール)や、メタノール(メチルアルコール)や、NPA(ノルマルプロピルアルコール)など、アルコールにも沢山種類があります。
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