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有機溶剤
2026.08.18
乳酸エチルとは?成分や特徴、用途などをわかりやすく解説
乳酸エチルについて、化学の知識がない方でもわかるように丁寧に解説します。
乳酸エチルとは?

乳酸エチルとは、エステル系の有機溶剤の一つです。エチルラクテートや2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、乳酸ノルマル-エチルとも呼びます。常温では無色透明の液体で、特有の臭気があります。天然由来のものでは、ワインや鶏肉、果実、味噌にわずかに含まれます。
化学式はC5H10O3で、炭素(C)が5個、水素(H)が10個、酸素(O)が3個でできています。示性式は、CH3CH(OH)COOC2H5です。構造としては、乳酸のカルボキシル基(-COOH) と エタノールのヒドロキシ基(-OH) が反応し、水(H2O)が取れて、エステル結合(-COO-) をつくってできた物質です。
エステル系の有機溶剤は、酸とアルコールを脱水縮合した物質のことで、エステル結合(-COO-)を持っています。
代表的なエステル系有機溶剤としては、乳酸エチルの他に乳酸ブチルや酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルカーボネート、酢酸ノルマルプロピル、酢酸イソプロピル、酢酸アミルなどがあります。
乳酸エチルは水やアセトン、エタノール、トルエンなどの有機溶剤とよく混ざります。特徴は以下の通りです。
| 項目 | 概要 |
| 名称 | 乳酸エチル |
| 別称 | 乳酸ノルマル-エチル、2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、エチルラクテート |
| CAS番号 | 97-64-3 |
| 化学式 | C5H10O3 |
| 引火点(℃) | 47 |
| 発火点(℃) | 400 |
| 沸点(℃) | 154 |
| 比重 | 1.042(20/4℃) |
| 有機溶剤中毒予防規則(有機則) | 非該当 |
| PRTR法 | 非該当 |
| 消防法 | 第二石油類水溶性 |
| 毒物および劇物取締法 | 非該当 |
| 悪臭防止法 | 非該当 |
乳酸エチルの合成方法

乳酸エチルは、工業的には乳酸とエタノールをエステル化して製造されます。
反応式は次の通りです。
乳酸+エタノール→乳酸エチル+水
CH₃CH(OH)COOH + C₂H₅OH → CH₃CH(OH)COOC₂H₅ + H₂O
乳酸エチルの利用

乳酸エチルは、他の有機溶剤よりも安全性が高く、また微生物などにより分解されて地球環境に負荷をかけない性質(生分解性)があるため、グリーンソルベント(環境負荷が低い溶剤)として注目されています。
用途としては、香料として食品添加物や香水の原料となる他、工業的には溶媒や洗浄剤として使用されています。
具体的には、樹脂やインキ、顔料、接着剤などの溶剤、殺虫剤、農薬、各種洗浄剤、レジスト溶剤、レジスト剥離剤、土壌改良剤などの原料として幅広い分野で用いられています。
レジストとは
レジストの名前は”resist”(処理に耐える)に由来します。サンドブラストなどの物理的処理や、エッチングなどの化学的処理に対する保護膜や、保護膜の形成に使われます。処理したい物の表面の一部をあらかじめ樹脂などで保護することで、保護していない部分だけ加工を施すことができる仕組み(保護膜は処理後、剥離する場合とそのまま残す場合がある)です。用途や塗り分けの方法によって以下のような分類があります。
・フォトレジスト
・メッキレジスト
・スクリーン印刷レジスト
・ソルダーレジスト
・エッチングレジスト
消防法と乳酸エチル

乳酸エチルは、有害性が比較的低いものの、引火点(火を近づけると燃えてしまう最低の温度)が47℃と、燃えやすいため消防法の第二石油類水溶性液体として規制されています。
同法の規制を受けずに保管できる指定数量は、2000Lです。
また、同法の規定に基づいた危険物倉庫がなくても保管できる少量危険物(指定数量の1/5)は400Lです。
消火には噴霧水や二酸化炭素、粉末の消火器が適しています。通常の棒状放水は乳酸エチルが飛び散り、火災を広げてしまう恐れがあるため避けてください。
消防法についての詳しい内容は、別記事「消防法とは?該当する有機溶剤、指定数量の考え方などもわかりやすく解説」で詳しく説明しておりますので、併せてご覧ください。
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