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化学規制

2026.06.05

女性労働基準規則とは?対象業務や対象物質をわかりやすく解説

女性労働基準規則について、具体的な規制の対象業務や対象物質を中心に、わかりやすく解説します。

女性労働基準規則とは?

女性則の概要

女性労働基準規則とは、労働基準法に基づいて、女性の労働基準を定めた厚生労働省令です。一般的には、女性則とも呼ばれます。労働基準法第64条の3に基づき、妊娠や出産、授乳に悪影響を与える可能性がある危険有害業務を具体的に定めています。雇用者は該当する女性労働者をこれらの業務に従事させてはいけません。なお、26物質が発散する場所での就業禁止については、妊娠の有無や年齢にかかわらず、全ての女性労働者が対象となります。

対象となる主な危険有害業務

対象となる主な危険有害業務は以下のようなものがあります。

  • 坑内労働
  • タンク・船倉内で呼吸用保護具の使用が義務付けられている業務
  • 一定以上の重量物の取り扱い
  • 化学物質の取り扱い:妊娠・出産・授乳機能に影響を及ぼすおそれのある26物質について、作業環境測定の結果が第3管理区分となった屋内作業場での業務、またはタンク・船倉内などで呼吸用保護具の使用が義務づけられている業務

規制対象26物質

規制対象となる化学物質は、特定化学物質障害予防規則適用17種、有機溶剤中毒予防規則適用8物質、鉛中毒予防規則適用1種の計26物質です。

特定化学物質障害予防規則の適用を受ける17物質

物質名 管理濃度
塩素化ビフェニル(PCB) 0.01mg/㎥
エチレンイミン 0.05ppm
カドミウム化合物 0.05mg/㎥
五酸化バナジウム

バナジウムとして

0.03mg/㎥

塩化ニッケル(Ⅱ)

(粉状のものに限る)

0.1mg/㎥
ベータプロピオンラクトン 0.5ppm
マンガン(マンガン化合物は対象外) 0.2mg/㎥
スチレン  20ppm 

トリクロルエチレン

(トリクロロエチレン) 

10ppm
アクリルアミド 0.1mg/㎥
エチレンオキシド 1ppm
クロム酸塩 0.05mg/㎥

水銀およびその無機化合物

(硫化水銀を除く)

0.025mg/㎥

砒素化合物

(アルシンと砒化ガリウムを除く)

0.003mg/㎥
ペンタクロルフェノール(PCP)及びそのナトリウム塩  0.5mg/㎥
エチルベンゼン 20ppm

テトラクロルエチレン

(パークロルエチレン)

50ppm

有機溶剤中毒予防規則の適用を受ける8物質

物質名 管理濃度

エチレングリコールモノエチルエーテル

(エチルセロソルブ)

5ppm

エチレングリコールモノメチルエーテル

(メチルセロソルブ)

0.1ppm
N,N-ジメチルホルムアミド 10ppm
二硫化炭素 1ppm

エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート

(エチルセロソルブアセテート)

5ppm
キシレン 50ppm
トルエン 20ppm
メタノール 200ppm

鉛中毒予防規則の適用を受ける1物質

物質名 管理濃度
鉛およびその化合物

鉛として

0.05mg/㎥

作業環境測定と第3管理区分とは

作業環境測定と第3管理区分について

作業環境測定とは、作業環境の実態を把握するため空気環境その他の作業環境について行うデザイン、サンプリングおよび分析(解析)のことです。労働安全衛生法に基づき、屋内の作業で有機溶剤(有機溶剤中毒予防規則の第1、2種有機溶剤、特定化学物質障害予防規則の特別有機溶剤)を使う際に義務付けられています

作業環境測定では、作業場の空気中に含まれる有害物質の濃度を測定し、基準となる管理濃度と比較して、濃度が低いものから順に、第1~3管理区分に分類されます。

女性則の対象となる26物質について、作業環境測定の結果、第3管理区分に区分された屋内作業場では、女性労働者をその業務に就かせることはできません

現場でよくある違反ケース

女性則の最大の問題点は、知名度が低く、事業所の管理者にも、作業者にも内容があまり知られていないことです。そのため、以下のような事例が実際に起きています。

  • とある工場で、女性作業員がいるにもかかわらず、管理者が女性則を把握しておらず、女性則に該当するトルエンやキシレンを含むシンナーを使っていた。
  • 女性則は、妊婦に限定した規則だと誤解して、トルエンを含む混合物を使っていた。

このような事例を防ぐためにも、しっかりと女性則の内容を知ることが大切です。

まとめ

女性労働基準規則は、女性労働者の妊娠・出産・授乳機能に影響を及ぼすおそれのある業務について、就業制限を定めた重要な規則です。特に化学物質に関しては、対象となる26物質が定められており、作業環境測定の結果が第3管理区分となった屋内作業場などでは、女性労働者を就業させることができません。

また、この規制は妊娠中や授乳中の女性だけでなく、妊娠の有無や年齢にかかわらず、全ての女性労働者が対象となる点にも注意が必要です。

事業者は、使用している化学物質が女性則の対象物質に該当するかを確認するとともに、作業環境測定の結果や作業内容を踏まえ、適切な就業管理を行うことが求められます。法令を正しく理解し、作業環境の改善やリスク低減に取り組むことが、労働者の健康を守る第一歩となります。

女性則について、疑問質問がございましたら、下記リンクよりお気軽にお問い合わせください。

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コメント

  1. 職場で使用しているシンナーの缶にトルエン、キシレン、メタノールなどこの記事に載っている物質がいっぱい書いてありました。
    作業の関係上、私以外にも女性が働いている職場なのですが、本来は働いてはいけない環境なのですね?

    換気はしているものの、マスクも市販の風邪用マスク使っていて、時々気分が悪くなります。
    会社に相談すると変な扱いを受けそうなのですが、どこに相談すればいいでしょうか。
    教えてください。お願いします。

    1. sankyo

      コメントありがとうございます。
      作業環境や使用量、含有量などによっても、働いてはいけない環境かどうかは変わってきます。
      もし笹野様がご心配であれば、管轄の労働基準監督署にご相談されるのがよろしいかと思います。

  2. 教えてください。
    船員をしています
    女性が取り扱えない塗料、シンナーがあると聞いたことがあります。
    女性労働衛生規則に定めてある 女性側の対象物質26のはいっている成分なのですか?
    宜しくお願い致します

    1. sankyo

      コメントありがとうございます。

      タンク内や船倉内など、極端に換気の悪い場所で有機則や特化則に該当する製品(=女性則に記載のある26物質およびそれらを指定量以上含む製品)を取り扱う場合、女性の就業はできません。

      通常の屋内作業場であれば、
      記載のある26物質がどれくらい空気中に含まれていて、それが第1管理区分~第3管理区分のどれに当てはまるか調査していただく必要があります。
      もしそこが第3管理区分(=作業場所の気中の有害物質の濃度平均が管理濃度を超えている)に該当するのであれば女性の就業はできません。

      1. コメント失礼します。
        記載のある26物質そのものを扱うことが出来ないのでは無くて、第3管理区分に限っての就業が出来ない(第1・第2管理区分なら就業が出来る)という認識でお間違えないでしょうか?
        よろしくお願いいたします。

        1. sankyo

          >>AKI様

          コメントありがとうございます。
          仰る通り、第3管理区分に該当する場合のみ、就業ができません。

  3. 私は金属加工、検品を行なう職場に派遣パートで働いていますが、製品の拭き上げを行う際はウエスにソルミックスやアルファクリーナー、たまにシンナーをつけて拭いています。
    それぞれの薬品が染み込んだウエスをいつも素手で持って拭いているので特にアルファクリーナーやシンナーを使用した時には皮膚がカサカサボロボロになってしまいます。
    シンナーを使用する際には換気扇を強めるようには言われていますが、素手で扱う事は特に何も指示されなかったのでこの業界初心者だった2年前の私は何の疑いもなくそのまま素手で行なっていました。どう考えても身体によくない気がするのですが大丈夫なのでしょうか?

    1. sankyo

      >>佐藤様

      コメントありがとうございます。
      素手での取り扱いは危険なため、ウレタン製の耐溶剤手袋の着用をお願い致します。
      また、換気扇についても、一般的な天井についている換気扇を回すのであれば、ドアを開けて「下から」換気をなさることをお勧め致します。
      (溶剤の気体は空気よりも重たいため)
      皮膚がカサカサボロボロになってしまうのは、皮膚の油が溶剤によって奪われてしまっているためです。

      成分や使用量によっては有機則に該当する恐れもありますので、確認が必要です。(下記記事をご参照ください)
      有機溶剤中毒予防規則について

  4. 私の現場ではマンガン(化合物)を取り扱っていますが、女性は働けますか?

    1. sankyo

      >>Sp様

      コメントありがとうございます。
      マンガン化合物は女性則の対象外となります。

  5. 女性の橋梁での鉛剥離(掻き落とし)作業は働けますか?

    1. sankyo

      >>mako様

      コメントありがとうございます。
      鉛の管理濃度が0.05mg/㎥以下ならば、女性でも問題なく働くことができます。
      それ以上の場合、女性則に該当します。

  6. テープ製品の工場で働いています
    機械につくベタつきをトルエンで毎日拭いています 頻繁にトルエンを使用するのですが、
    もっと安全な代替品はあるのでしょうか?

    1. sankyo

      コメントありがとうございます。
      ケースにもよりますので、正確にはお答えできません。

      テープの粘着剤の成分がお分かりになれば、
      サンプル等お出しできるかもしれませんので、お手数ですが、コメント欄ではなく、右側のお問い合わせフォームからお問い合わせ頂けますでしょうか。
      宜しくお願い致します。

  7. 初めてコメントさせていただきます。
    私は30代、女です。
    タンク内や槽内でキシレンやトルエンなどが入った有機溶剤を使いFRPライニングを仕事で行っております。
    防毒マスクを使用し作業をしているのですが、女はタンクや槽内でマスクを着用していても有機溶剤を扱っていたら入槽したらダメなんですか?
    これは会社が然るべき場所にバレたら罰せられるのでしょうか?
    また罰せられるとしたらどのようなことになるのでしょうか…?

    1. sankyo

      >>防食屋さん様

      コメントありがとうございます。
      女性労働基準規則において、女性労働者の就業を禁止する業務の中に、「タンク・船倉内などで規制対象の化学物質の取扱いを規制する業務で、呼吸保護具の着用が義務付けられているもの」があります。
      キシレンやトルエンはこれに該当するため、女性がその業務を行うことはできません。
      もしこれに違反した場合、30万円以下の罰金が科されます。

  8. 教えてください!今、五酸化バナジウムを使用した物の検査と、剥がれた部分にペンキで塗って仕上げの仕事しています。
    入社時には、何の説明もなく、職場の男性から、吸い込むと危険だと聞きました、マスクも防塵マスクではなく、風邪ひきの時のマスクです。仕事続けるのが怖くなり、転職考えています。

    1. 三協化学

      コメントありがとうございます。
      弊社は有機溶剤のメーカーですので、それ以外の物質には詳しくありませんので、わかる範囲でお答えします。

      五酸化バナジウムは発がん性があるため、特定化学物質障害予防規則という法令で規制されている物質です。
      また、女性労働基準規則においては管理濃度が設定されているため、局所排気装置の設置や飛沫を吸引しないマスクの着用が必要です。

      ペンキを塗る作業においても使用されている化学物質や使用環境によっては防毒マスクが必要になる場合がございます。
      いずれにせよ、風邪ひき時に使う一般的なマスクでは、防げないと考えられます。

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