【有機溶剤とサステナビリティ】バイオエタノールについて

【有機溶剤とサステナビリティ】シリーズ第4弾です。

今回はバイオエタノールについて深堀していきます。

バイオエタノールとは

バイオエタノールとは、トウモロコシやサトウキビ、木材などのバイオマスに含まれる糖分などを微生物によって発酵させ、蒸留して作るエタノールのことです。

石油などから作られる合成エタノールと、物理化学的性状は全く同じです。

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成分は同じでも違うこと

合成エタノールは飲めません!

同じエタノールでも、飲用として用いられるのは発酵エタノールのみで、合成エタノールを飲むことはできません。それは、発酵エタノールと合成エタノールの製造過程の違い、クリアしている検査の違いがあるためです。

化石燃料の消費により、大気中の二酸化炭素濃度が上昇し、それによる地球温暖化が大きな問題になっていますが、バイオエタノールは化石燃料に比べて、ライフサイクルにおける二酸化炭素排出量が少ないことから、輸送用のエコな燃料として期待されています。

 

バイオマスとは

バイオマスは、生物資源の量(バイオマス)を意味し、上記のような植物のほか、藁やもみ殻、家畜糞尿、下水汚泥、廃食用油など、動植物由来のエネルギー源として利用もしくは再利用できる有機系資源を指します。特に現在は、食糧と競合しない木材や藁、藻類などを利用したバイオエタノールの開発が進んでいます。

 

カーボンニュートラルの観点から見たバイオエタノール

バイオエタノールは、気候変動枠組条約では「カーボンニュートラル」として位置づけられ、使用時に二酸化炭素排出量には計上されません。これは、バイオエタノールの原料となる植物はもともと、光合成によって大気中から二酸化炭素を吸収しているため、燃焼により二酸化炭素を排出しても、全体として二酸化炭素量を増加させないという考え方に基づいているからです。

化石資源由来の燃料をバイオエタノールで代替すれば、二酸化炭素排出量の削減につながります。

 

バイオエタノールの利用方法

バイオエタノールはガソリンと混ぜて利用するのが一般的です。現在日本では、体積比で3%まで混ぜて使用することが認められています。これは、エタノールを3%混合したガソリンであれば既存車両でも自動車の安全性、環境への影響がないことが確認されたからです。

バイオエタノールの他、バイオエタノールを元に製造されるバイオETBE(エチル・ターシャリー・ブチル・エーテル)もあり、どちらもガソリンに混合して利用されます。

日本では地域資源の活用と地域の活性化、循環型社会の形成を絡めて、様々な原料を用いたバイオエタノール生産が進められています。

 

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