特定化学物質障害予防規則について①

特定化学物質障害予防規則とは

世の中には多くの化学物質が存在します。

化学物質は利用価値が高い反面、体内に取り込まれると人体に悪影響を及ぼすものもあるため、有害な化学物質から労働者を守る目的で、「特別化学物質障害予防規則(通称:特化則)」という法律が定められています。

 

事業者は、化学物質による労働者のがん、皮膚炎、神経障害その他の健康障害を予防するため、使用する物質の毒性の確認、代替物の使用、作業方法の確立、関係施設の改善、作業環境の整備、健康管理の徹底その他必要な措置を講じ、もつて、労働者の危険の防止の趣旨に反しない限りで、化学物質にばく露される労働者の人数並びに労働者がばく露される期間及び程度を最小限度にするよう努めなければならない。

(特別化学物質障害予防規則 第一章 総則 第一条より抜粋)

 

特化則ではまず危険度が高い方から、第一類、第二類、第三類、と分けられていますが、各類の中でも、発がん性(の疑い)がある物質はそれぞれ「特別管理物質」に該当されます。

第二類に関しては更に細かく細分化されています。

 

加えて、特化則で重要なのは「含有濃度」と「管理濃度」です。

それぞれの物質に含有濃度と管理濃度(管理濃度は設定がないものもある)があり、その数値が物質ごとに異なっています。

 

含有濃度

→特化則に指定された物質が●%以上含まれていると、規制の対象となります。

管理濃度

→作業場所の空気中に含まれている有害物質の濃度のことです。

 

 

お使いの物質が特定化学物質に該当する場合、特定化学物質障害予防規則の内容を細かく把握する必要があります。

 

 

 


 

特定化学物質一覧

(H.29.6月1日時点)の分類

※(  )内は、規制対象となる含有濃度および管理濃度を表しています。

 

第一類特定化学物質

「がん等の慢性・遅発性障害を引き起こす物質のうち、特に有害性が高く労働者に重度の健康障害を生じるおそれがあるもの」が分類されています。

[特別管理物質]

アルファ-ナフチルアミン及びその塩(1%超、設定無)

オルト-トリジン及びその塩(1%超、設定無)

ジアニシジン及びその塩(1%超、設定無)

ジクロルベンジジン及びその塩(1%超、設定無)

ベリリウム及びその化合物(合金は3%超、ベリリウムとして0.001mg/m3)

ベンゾトリクロリド(0.5%超、0.05ppm)

[非特別管理物質]

塩素化ビフエニル(別名PCB)(1%超、0.01mg/m3)

 

 

第二類特定化学物質

「がん等の慢性・遅発性障害を引き起こす物質のうち、第一類物質に該当しないもの」が分類されています。

第二類特定化学物質はさらに、特定第二類物質、特別有機溶剤等、オーラミン等、管理第二類物質の4つグループに分けられています。

 

<特定第二類物質:第二類物質のうち、特に漏洩に留意すべき物質>

[特別管理物質]

  • エチレンイミン(1%超、0.05ppm)
  • エチレンオキシド(1%超、1ppm)
  • 塩化ビニル(1%超、2ppm)
  • クロロメチルメチルエーテル(1%超、設定無)
  • 酸化プロピレン(1%超、2ppm)
  • 3,3’―ジクロロ―4,4’―ジアミノジフェニルメタン(1%超、0.005mg/m3)
  • ジメチル―2,2―ジクロロビニルホスフェイト(1%超、0.1mg/m3)
  • 1,1―ジメチルヒドラジン(1%超、0.01ppm)
  • ナフタレン(10ppm)
  • ニッケルカルボニル(1%超、0.001ppm)
  • パラ―ジメチルアミノアゾベンゼン(1%超、設定無)
  • ベータ―プロピオラクトン(1%超、0.5ppm)
  • ベンゼン(1%超、1ppm)
  • ホルムアルデヒド(1%超、0.1ppm)
  • オルトートルイジン(1%超、1ppm)

 

 [非特別管理物質]

  • アクリルアミド(1%超、0.1mg/m3)
  • アクリロニトリル(1%超、2ppm)
  • 塩素(1%超、0.5ppm)
  • シアン化水素(1%超、3ppm)
  • 臭化メチル(1%超、1ppm)
  • トリレンジイソシアネート(1%超、0.005ppm)
  • パラ―ニトロクロルベンゼン(5%超、0.6mg/m3)
  • 弗化水素(5%超、0.5ppm)
  • 沃化メチル(1%超、2ppm)
  • 硫化水素(1%超、1ppm)
  • 硫酸ジメチル(1%超、0.1ppm)

 

 

<特別有機溶剤等:発がん性のおそれが指摘される物で有機溶剤と同様に作用し、蒸気による中毒を発生させるおそれのある物質。有機溶剤中毒予防規則(有機則)を準用する>

[特別管理物質]

  • エチルベンゼン(1%超、20ppm)
  • クロロホルム(1%超、3ppm)
  • 四塩化炭素(1%超、5ppm)
  • 1,4―ジオキサン(1%超、10ppm)
  • 1,2―ジクロロエタン(1%超、10ppm)
  • 1,2―ジクロロプロパン(1%超、1ppm)
  • ジクロロメタン(1%超、50ppm)
  • スチレン(1%超、20ppm)
  • 1,1,2,2―テトラクロロエタン(1%超、1ppm)
  • テトラクロロエチレン(1%超、25ppm)
  • トリクロロエチレン(1%超、10ppm)
  • メチルイソブチルケトン(1%超、20ppm)

 

<オーラミン等 :尿路系器官にがん等の腫瘍を発生するおそれのある物質>

  • オーラミン(1%超、設定無)
  • マゼンタ(1%超、設定無)

 

<管理第二類物質:上記以外の物質>

[特別管理物質]

  • 三酸化二アンチモン(1%超、アンチモンとして0.1mg/m3)
  • インジウム化合物(1%超、設定なし)
  • クロム酸及びその塩(1%超、クロムとして0.05mg/m3)
  • コバルト及びその無機化合物(1%超、コバルトとして0.02mg/m3)
  • コールタール(5%超、ベンゼン可溶性成分として0.2mg/m3)
  • クロム酸及びその塩(1%超、クロムとして0.05mg/m3)
  • ニッケル化合物 ※ニッケルカルボニルを除き、粉状の物に限る。(1%超、ニッケルとして0.1mg/m3)
  • 砒素及びその化合物 ※アルシン及び砒化ガリウムを除く。(1%超、砒素として0.003mg/m3)
  • リフラクトリーセラミックファイバー(1%超、5μm以上の繊維として0.3本/cm3)

 

[非特別管理物質]

  • アルキル水銀化合物 ※アルキル基がメチル基又はエチル基である物に限る。(1%超、水銀として0.01mg/m3)
  • オルト―フタロジニトリル(1%超、0.01mg/m3)
  • カドミウム及びその化合物(1%超、カドミウムとして0.05mg/m3)
  • 五酸化バナジウム(1%超、バナジウムとして0.03mg/m3)
  • シアン化カリウム(5%超、シアンとして3mg/m3)
  • シアン化ナトリウム(5%超、シアンとして3mg/m3)
  • 水銀及びその無機化合物 ※硫化水銀を除く。(1%超、水銀として0.025mg/m3)
  • ニトログリコール(1%超、0.05ppm)
  • ペンタクロルフェノール及びそのナトリウム塩(1%超、ペンタクロルフェノールとして0.5mg/m3)
  • マンガン及びその化合物 ※塩基性酸化マンガンを除く。(1%超、マンガンとして0.2mg/m3)

 

 

第三類特定化学物質

[非特別管理物質]

  • アンモニア(1%超、設定無)
  • 一酸化炭素(1%超、設定無)
  • 塩化水素(1%超、設定無)
  • 硝酸(1%超、設定無)
  • 二酸化硫黄(1%超、設定無)
  • フェノール(5%超、設定無)
  • ホスゲン(1%超、設定無)
  • 硫酸(1%超、設定無)

 

三協化学製

特化則非該当洗浄・剥離剤一覧はこちら!

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この記事へのコメント

  • 西田 より:

    お伺いします。

    ホルムアルデヒド含有製品(含有率1%以下)を使用する場合、特化則の規制は受けないという認識でよろしいですか?

    作業主任者や環境測定も不用ですか?

    • sankyo管理者 より:

      >>西田様

      コメントありがとうございます。
      おっしゃる通り1%未満でしたら大丈夫です。
      作業主任者や環境測定も不要です。

  • 尾崎 より:

    大変参考になるコラム、ありがとうございます。
    特化則の適用外申請ですが、有機則のように環境測定や特殊健診は免除にならないと理解いたしました。申請により免除になるのは、設備のみでしょうか。
    だとすると、使用量がそもそも許容消費量より少ない場合、申請は不要という理解でよろしいでしょうか。

    • sankyo管理者 より:

      >>尾崎様

      コメントありがとうございます。
      許容消費量という概念が、有機則には存在するのですが、特定化学物質障害予防規則には存在せず、
      特化則の場合は、量に関係なく申請が必要です。

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