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メタルクリーナーW-19は環境対応型の水切り剤(水置換剤)です。炭化水素系溶剤が主成分のため、脱脂洗浄剤としても使用できます。
ワークを洗浄液に浸漬することで、ワーク表面に付着した水分や水溶性加工油を素早く分散し、除去することができ、短期工程中の錆発生を抑制する効果が期待できます。
また、引火点が40℃以上と高く、防爆設備を必要としないため、作業環境の火災安全性を高めることができます。
水切り剤とは?
水切り剤とは、ワーク表面に付着した水を除去する薬剤です。水を除去する場合、温風乾燥させたり、エタノール等の揮発の早い溶剤で水置換させることが一般的ですが、錆の発生や引火性の高さが問題となります。メタルクリーナーW-19はこの問題を解決しています。
目次
用途
- 水切り剤(水置換剤)として
- 水溶性加工油の洗浄
- 各種加工油(防錆油・切削油・研削油・プレス油等)の脱脂洗浄
通常の溶剤と水切り剤の性能比較
以下の画像は水を赤色に着色し、金属網に水が付着した状態で薬剤に浸けた際の比較をしています。
通常の溶剤(炭化水素系溶剤)では金属網に付着した水が離れることなく、水切りができていません。
メタルクリーナーW-19では液体に浸けた直後に水が金属網から離れ、下に落ちていきます。
水は容器の底部に溜まるため、底部から水を抜き取ることで繰り返し使用することができます。
通常の溶剤 | メタルクリーナーW-19 |
金属網から水が離れていない |
金属網から水が容易に離れ、下に落ちている |
特長
- 有機溶剤中毒予防規則(有機則)、特定化学物質障害予防規則(特化則)に非該当な環境対応品です。
- 引火点が40℃以上と高く、防爆設備を必要としません。
- 繰り返し使用できるため、経済性に優れます。
- ワーク表面に付着した水分や水溶性加工油を素早く分散し、除去することができます。それによって、短期工程中の錆発生を抑制する効果が期待できます。
- ワークから除去した水滴は細かな粒となって洗浄槽底部に溜まるため、洗浄槽から水分を容易に取り出せます。
代替可能な溶剤
水溶性加工油の洗浄、水置換剤、脱脂洗浄剤用途で使用される以下の有機溶剤の代替品として使用可能です。
- シンナー
IPA(イソプロピルアルコール)
エタノール- アセトン
グリコールエーテル系溶剤※この他にも代替可能な溶剤はございます。
使用方法
金属加工時に起こる洗浄不良
水溶性加工油を洗浄する場合、洗浄剤によっては乾燥後、写真のように白い固形物が付着する場合があります。
一般的な洗浄剤
メタルクリーナーW-19
一般的な洗浄剤で白いものが残ってしまうのは、加工油中にある極圧剤などの添加剤成分が洗浄されずに残ってしまうためだと考えられます。
一方、弊社のメタルクリーナーW-19で水溶性加工油を洗浄すると白い付着物がないことが分かります。水置換剤が添加剤成分を含んだ水分ごと基材から分離するためです。
※水溶性加工油の成分、洗浄条件等により水切り剤を使用しても付着物が残る場合があります。事前テストの実施を推奨します。
物性
項目 | 数値 |
比重 | 0.767 |
沸点 | 150-180℃ |
引火点 | 42℃ |
適用法令
項目 | 規格 |
消防法 | 第四類第二石油類非水溶性 |
有機溶剤中毒予防規則 | 非該当 |
特定化学物質障害予防規則 | 非該当 |
PRTR制度 | 非該当 |
荷姿
- 一斗缶(入り目:16L)
※ご使用の際には弊社発行の製品安全データシート(SDS)をご参照願います。
SDSはこちらのお問い合わせフォームよりご要望ください。
(新規御取引先様、既存御取引先様でフォームが分かれておりますので、ご注意願います。)
他のメタルクリーナーとの比較
メタルクリーナーシリーズの他のグレードとの比較は以下のメタルクリーナーシリーズのページを参照してください。
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この製品に関するご質問・資料請求は以下からお問い合わせください。
加工油について
私たちの身の回りにある多くの人工物は、切ったり削ったり、プレスしたり、穴をあけたり、型出ししたりされて作られています。
加工油は、金属を上のように加工する際に活躍します。
上の記事で、『加工油はそれぞれ、摩擦を防ぎ潤滑性を持たせることができたり、熱を冷ますことができたり、錆を防ぐことができます』と書きましたが、加工油は主に、金属を加工するときに使う工具や工作機械の寿命を延ばす目的で使われます。
加工油の分類と洗浄剤
「溶剤お役立ち便覧;油について①」の記事の通り加工油は、潤滑性や抗溶着性に優れた「油性加工油」と、引火の危険性がなく冷却性に優れた「水溶性加工油」に分類されます。
金属が目的の形になった後は、「油性加工油」も「水溶性加工油」も洗い落とす必要があります。
加工油と洗浄剤の相性
上で分類した2タイプの加工油ですが、油性か水溶性かで洗浄剤も使い分けます。
油性タイプでは主に、下記のタイプの洗浄剤を使います。
- 水系洗浄剤
塩素系洗浄剤- アルコール系洗浄剤
炭化水素系洗浄剤- 準水系洗浄剤
臭素系洗浄剤
一方、水溶性加工油での洗浄剤は下記の3種類です。
- 準水系洗浄剤
アルコール系洗浄剤- 水系洗浄剤
- 炭化水素系洗浄剤
今回は、油性加工油も水溶性加工油も落とせる
「準水系洗浄剤」
「炭化水素系洗浄剤」
「アルコール系洗浄剤」
の3タイプについて、お話していきます。
それぞれの洗浄剤の特徴
油が油性か水溶性かで洗浄剤を使い分ける、と申し上げましたが、洗浄剤を選ぶポイントはそれだけではありません。
それぞれの洗浄剤の特徴を活かせるシーンや用途を見極めることが大切です。準水系洗浄剤
【メリット】
・高精度の洗浄ができる
・多くの金属や樹脂系素材に対応可能
・安全性が高い
・非危険物タイプの洗浄剤では、超音波洗浄機との併用により洗浄効果が向上する【デメリット】
・排水処理の負担が大きい
・金属に対して防錆対策が必要
・ランニングコストが高い
・再生使用が困難
・可燃のものは消防法上の管理が必要
・非危険物のものは水分管理が必要
炭化水素系洗浄剤
【メリット】
・油分溶解力が強い
・毒性が低い
・金属に対し、腐食・錆の心配がない【デメリット】
・引火性があり、消防法上の管理が必要
・固形物の汚れには不向き
アルコール系洗浄剤
【メリット】
・浸透性がよく細部の洗浄が可能
・毒性が低い【デメリット】
・引火性が高く、消防法上の管理が必要
・油分溶解力が小さい
・吸湿性があるため、水分管理が必要
補足記事
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