メタノールはコロナウイルス対策に使えるか?

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メタノールについて

アルコール消毒

「アルコール」消毒といっても、アルコールには沢山の種類があります。もともと、炭化水素の水素原子の部分が水酸基(-OH)になっている状態のものをアルコールと呼ぶので、炭素数で呼び名や性質が異なります。

  • 炭素が1つのものを「メタノール」
  • 炭素が2つのものを「エタノール」
  • 炭素が3つのものを「プロパノール」
  • 炭素が4つのものを「ブタノール」

と呼びます。

炭素数が3つ以上になると、複数の構造式を持っていますので、構造式を区別した名前も付けられます。(例:イソプロパノール)

 

製造から用途

エタノールには、糖を酵母で発酵させて作る「発酵エタノール」と、石油から合成された「合成エタノール」があります。原料は異なりますが、出来上がるエタノールは同じです。メタノールは主に天然ガスから、IPA(イソプロピルアルコール)は主に石油から合成されています。

エタノールの使用用途は、消毒・殺菌剤や工業用洗浄剤、近年では自動車用燃料や観賞用暖炉の燃料にも使用されています。飲用としても活躍していますが、これは発酵エタノールのみが使用されています。

メタノールの使用用途は、化学薬品製造の中間原料やその反応をさせるための溶媒、工業用の洗浄剤、塗料のシンナーとして使用されています。

 

 

メタノールは危険性が高い

 

エタノールとメタノール、一見「M」がついているかいないかの違いなのに、メタノールが消毒用途に使用されないのは単純に危険性が高いためです。化学を習った際、「メタノールはメチルアルコールの別名だから、目散るアルコールと覚えよう」と覚えた方も多いのではないでしょうか。

皮膚についた場合、強い刺激はありませんが、速やかに大量の水で洗い流していただかなければなりません。脱脂作用もありますので、水で洗い流した後は保湿クリームなどで皮膚のケアをしてください。口に入ってしまった場合は速やかにお医者様の診察を受けてください。メタノールが体内に入ってしまうと、代謝され、ホルムアルデヒドやギ酸が生成されることにより、視覚障害や失明、最悪の場合死に至るケースがあります。

 

 

 

何故危険性の高いメタノールが店頭で買えるのか

メタノールはその毒性の高さから毒物及び劇物取締法によって「劇物」として認定されています。

店頭で買える、と言ってもメタノールの単体は販売免許を持った薬局などでしか販売されていません。購入時は下記の項目を明記した書面に捺印しなければなりません。

  • 購入数量
  • 販売年月日
  • 購入者の氏名
  • 購入者の職業
  • 購入者の住所

など

 

また、メタノールを成分の一部に配合した製品は劇物に指定されません。そのため、市販されているエタノールの中でも、飲用できなくするためにエタノールにメタノールを混ぜている製品があります。このような製品は誤飲した際に重大な健康被害を起こす可能性があります。

いやいや飲まないでしょ。とお思いの方もいらっしゃることでしょう。ですが、間違えてごくごく飲んでしまうというケースはなかなかレアなケースですが、例えばその製品を塗布後、乾ききる前にその部分に触り、その手が口についてしまったり、散布した際その霧を吸い込んでしまった、などというケースは起こりうるものです。

そのためメタノールが混ぜられている製品の使用は仮に含まれるメタノールがごく微量であっても、お勧めできません。

 

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