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【特設】コロナウイルス関連
2020.01.30
ウイルスとエタノールについて
2020年に入って最近はコロナウイルスの話題でニュースは持ち切りです。今回はそのウイルスについて、アルコールを扱うメーカーとして少しだけお話してまいります。
ウイルスとは
ウイルスとは、タンパク質の殻にDNA(若しくはRNA)を持つ構造体で、自己増殖をしないものを言います。自己増殖をしないため、「生物」とはみなされていません。自己増殖をしない代わりに他の生物の細胞に感染し、宿主の細胞内で増殖し、宿主の細胞の外へ放出されます。また自分でエネルギーを作ることもしません。これもまた感染した先の宿主のエネルギーを利用します。
感染をした際に、宿主になんらかの影響を与えることもあり、インフルエンザや今回のコロナウイルスもその影響です。
細菌との違い
感染症の原因として有名なのが、ウイルスの他に「細菌」が挙げられますが、細菌とウイルスは別物です。先ほどウイルスは生物とみなされていないと書きました。細菌は違います。細菌は生物なのです。
感染する宿主がいなくても餌があればそれを食べてエネルギーにして、自分で増殖ができるものが細菌です。細胞も持っていて(一つだけですが)、ウイルスとは違い、DNAもRNAもどちらも持っています(ウイルスはどちらかしか持っていない)。
感染の影響
ウイルス感染というと、私たちが日々感じられるのは風邪や熱などの症状ですが、それ以前にも様々な影響があります。
細胞への影響
ウイルスは細胞に感染しますが、その感染した細胞がまず影響を受けます。今まで自分に送られてきた栄養がウイルスに奪われてしまうわけです。細胞は必死に抵抗しますが、ウイルスもその抵抗を抑え込もうと戦うことになります。
戦いののち、細胞は死んでしまったり、あるいは宿主の細胞自体の分裂と死とのバランスをとって持続感染を続けたり、あるいは細胞を不死化させたりガン化させたりします。細胞が死ぬとき、ウイルスがさらに増殖を目論み細胞膜や細胞壁の破壊をして細胞が殺されてしまうケースと、細胞自体がこれ以上ウイルスの増殖を防ぐために自ら命を絶つケースとがあります。
細胞の主への影響
細胞への影響だけで終わればよいのですが、感染細胞を持つ生物にも影響を与えることもあります。それが今回の新型肺炎であったり、インフルエンザ、麻疹だったりするわけです。これらを排除しようと体は免疫機能を使って熱を上げウイルスを殺そうとしたり、咳やくしゃみ、鼻水や痰を出して(不活性化したウイルスを含め)体の外に追いやろうとします。
身近なウイルス対策
マスクや手洗いうがい、アルコール消毒によってウイルスの侵入を防ぐのは皆さんご存じの通りでしょう。今回はアルコール消毒に注目してください。
今回のコロナウイルスやインフルエンザは脂質でできた「エンベロープ」と呼ばれる膜を表面に持っています。(持っていないものもあります:ノロウイルスなど)コロナウイルスやインフルエンザウイルスの表面のエンベロープをアルコールは破壊でき、これによってウイルスは不活性化するのです。石鹸などによる手洗いも同じで、このエンベロープを壊してしまうのでウイルスは不活性化します。
ノロウイルスにアルコール消毒が効かないのは、この脂質でできたエンベロープを持っていないからです。ノロウイルスの場合は次亜塩素酸ソーダで不活性化できます。
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