原油の産地と成分について

原油とは

原油とは、油田から発掘された石油のもとになる液状の鉱物資源です。一般的に黒褐色で、粘り気のある液体です。

原油を精製すると石油になり、そこからガソリンや軽油、重油、灯油などの燃料になったり、化学繊維の原料になったり、タイヤなどのゴムになったり、プラスチックになったり、シャンプーや洗剤などの成分に姿を変えていきます。

 

原油はどうやってできるの?

原油は何からできているのか。これには諸説あり未だ解明中ですが、現在最も有力とされているのが何百万年も前に死んだプランクトンや藻などの死骸が土砂と一緒に海底に沈み積もり、地熱や強い圧力によって液体やガスに変化したものだという説です。他にも、地球の内核から発される放射線の影響で発生した炭化水素が、高熱と高圧を受けて石油に変質するのではないかという説や、石油を分解する菌が石油も酸素もない状況下では原油を作り出すことが発見され、それが原油の発生とされる説もあります。

 

人と原油の歴史

原油はそれこそ古代エジプト文明から使われていた証拠が残っています。エジプト文明と言えば代表的なミイラですが、このミイラにも防腐剤としてアスファルトが使用されていましたし、あるいは灯の燃料としても使用されていました。原油は地下深くから採れるとお思いの方も多くいらっしゃると思いますが、このころは地表に染み出した原油を使用していたようです。

4世紀にもなると、人は発掘して原油を採取し始めますが、原油採掘に革命が起きたのは1859年です。アメリカにて油井を掘る機械が開発され、そこから原油の大量採掘が可能になりました。

 

 

原油の成分について

原油の成分は、化学的に言えば沸点がそれぞれ異なるいろいろな液状の炭化水素の混合物が主成分です。いろいろな液状の炭化水素が混ざったものと書きましたが、混ざっている炭化水素も様々で、採れる地域によって微妙に内容成分が異なります。

かつてエンジンオイルで有名だったペンシルバニア産の原油は、「パラフィン系炭化水素」が多く、この特徴は北米産の原油に共通しています。

日本が現在多く輸入している中東産原油は、北米産の原油とは異なり芳香族が多く、この原油はプラスチックなどを作る原料として重宝されています。

近年ではシェール革命により、北米産原油が市場によく出回るようになりましたが、この原油は先に述べたようにパラフィン系炭化水素を主成分としているため、原油価格に比べ芳香族類の価格が上昇しています。

 

シェール革命とは

シェール層と呼ばれる地下2000m以下にある、ガスやオイルを含んだ岩石の層は従来の発掘方法では採取が不可能とされてきました。しかしアメリカで2006年以降その開拓が進み、採掘技術が確立され、加えて原油価格の上がったため採算がとれるようになり(シェール革命以前はシェール層の採掘はコストがかかるため市場性がないとされていましたが)大量採掘が可能になりました。まず当初はシェールガスの採掘をしていましたがその技術を応用し、シェールオイルと呼ばれる頁岩油けつがんゆとも呼ばれる原油の一種も採掘がはじまります。これによってアメリカ国内の天然ガス輸入量は減少し、国内価格も低下します。これがシェール革命です。

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