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においについて
昔、快いにおいは匂いや香、不快なにおいは臭い、と教わりました。
香害と書いての「こうがい」とは現在まだ世間的に認知が無く、ワープロ変換にありません。
“衣類の柔軟剤や制汗剤に含まれる香料が原因で体調不良を訴える人が増えている。NPO法人「日本消費者連盟」(東京都新宿区)によると、消臭剤を避けるために外出先のトイレを我慢したり、無臭の職場が見つからずに生活困窮に陥ったりする人も。街中にあふれる過剰な臭いの元を「香害」だとして、消費者の意識改革や規制を求める動きも出ている。(社会部 植木裕香子)”
2018年8月1日付け産経新聞記事
1990年~2010年頃、よくアメリカ出張し、安宿に泊まり備え付けのコインランドリーに25セント硬貨2~3枚いれて洗濯し、その後25セント硬貨2枚でカンカンに乾く乾燥機にて洗濯物を乾かしておりました。
問題は、乾燥機に洗濯物と一緒にいれるキッチンペーパータイプの柔軟剤の香りのきついこと。
日本に帰ってくると、玄関で家人から『アメリカの臭い』を持って来たと言われたものです。
産経新聞の記事には約10年前に香りの強い海外製の柔軟剤がブームになったことをきっかけに、芳香性を強調した製品が増加し
その頃から、柔軟剤の香りによる体の不調を訴える相談が増加傾向とも書かれています。
人間の体には、一度ある種のショックが加わると以降、同じ状況になると外因の大小にかかわらず、体が防御反応を示します。
「香害」に無縁の皆様にも、ある種の植物に触れたとか、虫に刺されると以降は同様の状況に過剰反応する/している経験も有ると思います。
アレルギーになったとか、アレルギーが出たと言いませんか?
アレルギーは「生体防御・免疫」の免疫反応が過剰になった状態です。
最近では、化学物質を一度に大量に浴びたり、少量を繰り返し浴びたりすることで防御・免疫の許容量を超え、突然発症する「化学物質過敏症」(CS)というものも話題になっています。
いったん発症すると、微量の化学物質でも頭痛やめまい、吐き気、目のかすみ、鬱、記憶低下などの症状を起こします。
そもそも香りとは
「香り」とは、分子(化合物)が香りの正体です。
この分子が揮発して鼻膣の中の嗅細胞を刺激したときに起こる感覚(嗅覚)が「におい」ですが、実際のところ機能はまだ解明がされていません。
エステル類の果実臭
ジャスミンの花からジャスモン酸メチル
バラの花からゲラニオール
すみれの花のイオノン
ラズベリーからラズベリーケトン
グレープフルーツからヌートカトン
等などがありますが、人により合成香料に対するアレルギーなのか、天然香料にたいしてもアレルギーなのかにより被害?の差が出ます。
合成香料には半合成と純合成の2種類あります。
半合成
天然の香料を混ぜ合わせて作りだした香料のことを半合成香料と言います。合成と名前がつきますが、化学原料からできているわけではないのがポイントです。
例)オレンジの香りを出すために、オレンジと同じ香り成分を含む植物から特定の成分を取り出し、オレンジに似た香りを出す
純合成
石油系原料から合成されたものを純合成香料と呼びます。天然香料よりも香りが長く持続するので、化粧品や柔軟剤、トイレやお部屋の芳香剤などにも使用されています。先ほど話題にあげたアメリカの柔軟剤もこれです。
石油が原料の化学品はその数量的安定・質的安定で天然香料に勝ります。
これ無くして、膨大な人口を抱える現代社会が成り立ちません。
ただし、同じように膨大な人口の中で、化学物質過敏症の人々の存在報告/認識もまだ多くはありませんが、昨今一定の理解を得てきており、近い将来に対応が執られるでしょう。
香味について
お話は脱線しますが、わたしたちは食べ物の「旨さ」を舌による味覚と鼻による嗅覚の両方で感じています。
風邪で鼻が詰まった時に食べものの味がよくわからなくなってしまうのはそのためです。
口の中から鼻腔を抜けた香りを味わっているのです。
これを「フレーバー」や「レトロネーザルアロマ(Retro Nasal Aroma)」といい、鼻の孔を通じた単純なにおいのことを「フレグランス」や「オルソネーザルアロマ(Orthonasal Aroma)」とよびます。
両者の違いは3つあります。
- フレーバーはフレグランスと異なり、味覚との調和があること
- 人間は、フレグランスへの感覚よりも、フレーバーに対する感覚の方が鋭いこと
- フレーバーはフレグランスに比べ、見た目や想像力が支配していること
資料
「香害」 2018年08月01日 07時34分 公開
衣類の柔軟剤や制汗剤に含まれる香料が原因で体調不良を訴える人が増えている。NPO法人「日本消費者連盟」(東京都新宿区)によると、消臭剤を避けるために外出先のトイレを我慢したり、無臭の職場が見つからずに生活困窮に陥ったりする人も。街中にあふれる過剰な臭いの元を「香害」だとして、消費者の意識改革や規制を求める動きも出ている。(産経新聞 社会部 植木裕香子)
「目の前真っ白で意識遠のく」
埼玉県に住む主婦(73)が最初の異変を自覚したのは約5年前の平成25年10月。隣家のキッチンの換気扇から自宅リビングに漂ってきた芳香剤の臭いをかいだ時に強くせき込んだ。
以来、近所の洗濯物で使われた柔軟剤の臭いなどをかいだ際もせき込むようになった。ひどい時は5分以上もせきが止まらず、この主婦は「息苦しくて目の前が真っ白になって意識が遠くなることがある」などと訴える。
外出する際は花粉対策用マスクに加え、放射性物質も遮断できるマスク、活性炭フィルターを重ねて着用。携帯用酸素も持ち歩いているが…。「病院へ通うために電車を使っているのに、その電車内で柔軟剤の香りなどに触れるリスクがある。通院もままならない時があり、本当に困る」と頭を抱えている。
「生理現象我慢」「通勤難しい」
この主婦同様に、柔軟剤などの香りが原因で体調不良を訴える人は近年、後を絶たない。
24年度に国民生活センターに寄せられた柔軟剤の臭いに関する相談は計65件だった。日本消費者連盟が29年7、8月の2日間設置した電話相談「香害110番」には、その3.3倍にあたる計213件の相談が寄せられた。
苦痛を訴える声は増える傾向にある。
電話相談「香害110番」には大勢の人から苦痛の声が寄せられた(日本消費者連盟提供)
《外出時のお手洗いが消臭剤などで充満しているため、生理現象を我慢することもある》
《柔軟剤臭が蔓延(まんえん)する電車の車両を移動しながら外出している。通勤も難しい》
《相談窓口で、香料のない職場を求めても理由や状況が理解してもらえない。(職に就けず)現在は父の遺族年金で生活している》
同連盟によると、こうした深刻な事例も報告されている。
誰もに起こり得る可能性
「そよ風クリニック」(東京都杉並区)の宮田幹夫院長(82)は、においによる被害の多くが「化学物質過敏症」(CS)の発症と指摘する。
CSは化学物質を一度に大量に浴びたり、少量を繰り返し浴びたりすることで体内の許容量を超え、突然発症するという。いったん発症すると、微量の化学物質でも頭痛やめまい、吐き気、目のかすみ、鬱、記憶低下などの症状を起こす。
宮田氏は「嗅覚(きゅうかく)は命を守るための感覚。本能が『逃げろ』と命じている香料に耐えることで、体がパニックを起こしている」と説明する。ただ、病名の認知度の低さから、周囲に「個人のわがままだ」と一蹴されたり、医師から「精神障害」と勘違いされたりするケースもあるという。宮田氏は「根拠のある病気で、世界的にも公認されている」と話す。
これに対し、国の動きは鈍い。厚生労働省は、製品に含まれる香料は国際香粧品香料協会(IFRA)の基準に適合したものが使われているとの認識で、「症状と香料との因果関係が証明されていない」とし、患者らについては「情報収集に努める」との姿勢にとどまる。
ただ、被害の増加とともに規制を求める声も年々高まっている。宮田氏は「誰もに起こり得る可能性がある。人ごとと思わず、今、使っている柔軟剤が自らの体に悪影響を及ぼすかもしれないとの認識に立って買い物をすべき」と警鐘を鳴らしている。
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香害 他人が使う衣類の柔軟剤などの香りが「不快」を超え、吐き気や頭痛などの症状をもたらすと訴える人々の健康被害。「公害」になぞらえた造語。国民生活センターによると、約10年前に香りの強い海外製の柔軟剤がブームになったことをきっかけに、芳香性を強調した製品が増加。その頃から、柔軟剤の香りによる体の不調を訴える相談が増加傾向にあるという。
芳香剤のにおいが流れて来て、勝手に部屋に侵入し,滞留しています。
こんなひどくサイテー・サイアクなことはありません!
何故なら,法でまだ取り締まれないものだし、なのに,人のうちに勝手に入り、出て行かないで,気分を悪くさせるだけでは、食欲を著しく奪い,吐き気や動悸を催させるのですから、タチが悪い物質ですよ,何が良いんですかね、利用者の頭がおかしいとしか,思えません!!!