ケムシェルパについて

ケムシェルパについて

 

日本の経済産業省が2015年10月からスタートさせた、

製品に含まれる化学物質の情報伝達共通体系のことです。

 

chemSHERPA [kemʃeərpə]: Chemical information SHaring and Exchange under Reporting Partnership in supply chain.

登山時の案内役や、荷物運搬を担う「シェルパ(sherpa)」に、化学を意味する「chem-」を付けた造語がこれです。

 

電気電子分野が関わる製品含有化学物質の情報伝達の標準図式として、2種類の図式(JAMP及び旧JGPSSI)があったり、

自動車分野ではIMDSという図式が使われたりしていますが、

これらの図式が使われて情報伝達が行われているのは全体の4割で、6割以上が各個別企業の独自様式を使っている現状です。

サプライチェーンの業者はこれらの様々な様式に対応しなければならず、その負担は計り知れません。

 

その対策として、ケムシェルパが考案されました。

 

 

 

「シェルパ」と言えば、ある年代までの人には懐かしくもある、エベレスト登頂に最初に成功したヒラリー(初登頂から8日後の6月6日にイギリス国王エリザベス2世より大英帝国勲章ナイトの勲位を授与。英国において「ナイト」は貴族の身分ではなく、世襲権をもたない準貴族)とシェルパのテンジンの名前を落とすわけにはいきません。

テンジン・ノルゲイ Tenzing Norgay

http://zip2000.server-shared.com/tenzingnorgay.htm 参照

 

1953年の英国隊は世界初のエベレスト征服に向けて総力を結集していました。軍人として組織力、決断力に優れていたジョン・ハント陸軍大佐を起用したのも、その強い意思の表れでした。
隊員の多くは、この変更に反対だったようですが、シェルパも隊のメンバーとして山頂アタックに参加させようと考えていた彼の実力主義のおかげで、テンジンが山頂に立つことになるのですから、運命はたはりテンジンに見方していたのでしょう。さらに彼を誘ってくれたチャールズ・ワイリーもまたネパール語を話すことのできるシェルパ族の良き理解者でした。もう一人、彼をエベレストの頂上へと導いてくれる人物がいました。それが彼と共に山頂に立つことになるニュージーランドからやってきた若者エドマンド・ヒラリーでした。

<ヒラリーと共に>
ニュージーランドの山で氷壁登山の腕を磨いたヒラリーは、その若さと技術を買われての参加で、けっして経験豊富な登山家ではありませんでした。それに対し、経験の豊富さでは誰にも負けないのがテンジンでしたが、二人はすぐにお互いを認め合い意気投合します。自然に二人はコンビを組むようになりました。しかし、当初ハント隊長はシェルパたちのリーダー役や氷壁での荷揚げに彼を集中させるため、頂上へのアタック・チームにテンジンを入れるつもりはありませんでした。最初に選ばれたのはイギリス人のチャールズ・エヴァンスとトム・ボーディロンの二人でした。成功すれば世界中の注目を集めることは明らかだったたけに、イギリス人から選ぶのは当然のことだったかもしれません。ところがその二人は山頂へのアタックに失敗してしまいます。そして、次に登る予定になっていたテンジンとヒラリーのチームがついに山頂へと向かいました。
頂上に到達することを至上命令とされていた英国隊にとって、誰が最初に頂上に立つのかはもう問題ではなくなっていたのかもしれません。最も成功の確率が高いチームとして彼らに賭ける、それがハントの作戦でした。こうして、身長192cmのニュージーランド人と身長177cmのシェルパという異色もコンビに栄光が輝くことになったのでした。

 

 

話がそれましたが、

ケムシェルパには、化学品用のものと、成形品用のものがあります。

 

化学品用のものは、成分情報を、

成形品用のものは、成分情報や遵法判断情報を記載します。

それぞれ、データ作成の支援ツールも完備されているので、チェックされることをお薦め致します。

 

化学品用CIと成形品用があります。データ作成支援ツールもいろいろ完備しています。

 

記載する上で大切なのが、

国際基準(IEC62474)を採用したデータフォーマットに、物質リストに基づく成分情報や必要な情報項目を記入することです。

RoHSやREACHなどの拡大する法規制への対応も円滑になりますし、サプライチェーン(川上~川中~川下産業、商社なども含む)の中で円滑に開示、伝達できるようになります。

 

経済産業省には、chemSHERPAスキームの普及を目的として、chemSHERPAの製品含有化学物質の情報伝達スキームの概要及びデータ作成支援ツールの基本的な操作方法を説明する動画ページもあります。

 

 

chemSHERPA-CI 例

実際のchemSHERPA-CIを切り取ったものが下記です。

 

2項は部分的に省略しております。

 

表のメタノールはREACH規制の付属書17ある種の危険な物質、調剤及び成形品の製造、上市及び使用の制限に該当し、GADSL(Global Automotive Declarable Substance List) 各国自動車関連メーカにより結成されたグループの総意で作成された環境負荷物質約2,500の情報交換のための物質リストではD/P: 使用目的によっては禁止、その他については申告が要求される。と言う事です。

(P:すべての用途において禁止。D:閾値を超えて使用する場合は申告が要求される。)

 

この頃は大手客先様方より、製品資料としてケムシェルパの提出要請が増えてまいりました。

 

以上。

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