プラスチックの仕組みと洗浄剤③ ~ウレタン樹脂について~

≪前記事 プラスチックの仕組みと洗浄剤①

関連記事

プラスチックの仕組みと洗浄剤② ~エポキシ樹脂について~

 

 

ウレタン樹脂の仕組み

ウレタン樹脂とは、ウレタン結合をもつ重合体の総称です。

別名では「ポリウレタン」とも呼ばれます。

硬化剤のイソシアネート基を持つ化合物と、主剤の水酸基を持つ化合物が縮合すると生成し、この反応が連続することで網目状の架橋構造を形成し、硬化物となります。

 

主剤には水酸基を持つ化合物があると書きましたが、硬化剤のポリイソシアネートは水との反応性が非常に高いので、使用する際には水が混ざらないよう、注意が必要です。

ウレタン結合

 

ウレタン樹脂には1液型のタイプと2液型のタイプがあり、

1液型はあらかじめ主剤と硬化剤が混ざっています。同じ1液型でも硬化方法がいくつかあります。

  • 加熱して固めるタイプ
  • 空気中の水分と反応して固まるタイプ
  • 溶剤が揮発して固まるタイプ

2液型のものは、主剤と硬化剤を撹拌することで、常温のまま硬化します。

 

 

ウレタン樹脂の特徴

ウレタン樹脂は、日常生活のいたるところに使用されており、現代の産業には欠かすことのできない素材になっています。

例えば、以下のような分野で活躍中です。

  • 自動車、船舶、航空機などのコーティング剤として
  • 緩衝材、断熱材、スポンジなどの発泡材として
  • スキーウェアなどの繊維、バンパーや合成皮革などの形成材料として
  • ゴム材として
  • 高機能接着剤として

 

長所

  • 低弾性から高弾性まで幅広い弾性に対応できる
  • 耐久性に優れ、抗張力や耐摩耗性、耐油性、耐水性、耐薬品性に優れている
  • 他の樹脂に比べて、耐候性がある

 

短所

  • 耐熱性は他の合成ゴムに比べて低い
  • 他の樹脂よりは耐候性があるものの、水分による加水分解や、空気中の窒素化合物、塩分、紫外線、熱、微生物などにより徐々に分解される
  • ウレタン発泡材やウレタンゴム材は紫外線によって黄色く変色する

 

 

ウレタン樹脂の除去について

ウレタン樹脂は一度硬化し、架橋構造を形成してしまうと除去するのに非常に手間がかかります。

削ったり剥離剤を使うのが一般的ですが、何に付着したウレタン樹脂を落とすのかによっても除去方法を選んだ方ほうがよいでしょう。

(樹脂などについたウレタン樹脂を剥離剤で落とそうとすると、下地の樹脂まで落としてしまい兼ねない)

 

様々なメーカーがウレタン樹脂対応の洗浄剤・剥離剤を販売しているので、是非試してみてください。

 

三協化学製

環境配慮型 ウレタン樹脂剥離・洗浄剤はこちら!

>

記事に関するご質問はコメント欄からお問い合わせ下さい。 弊社製品に関する内容は以下のボタンから問い合わせフォームよりお問い合わせください。

CTR IMG