RoHS指令とREACH規則について

「RoHS指令」「REACH規制」というのは、両方ともEU(欧州連合)の化学物質に関する法律の一つです。

 

EU指令はEU加盟国が順守するものなので、この指令をもとに加盟国が国内法を制定します。

そのため罰則や関税での検査などは加盟国に委ねられています。

 

RoHS指令

「Restriction of the Use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment Directive」の略で、

電器・電子機器類への、特定有害物質を制限するEUの指令です。

制限することで、環境破壊や健康被害を最小限にする目的があります。

 

【規制対象物質】

現在、6種類の物質が規制の対象です。

  • 水銀
  • カドミウム
  • 六価クロム
  • ポリ臭化ビフェニル
  • ポリ臭化ビフェニルエーテル

(※フタル酸ビス-2-エチルヘキシル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソブチルの4つは2019年7月から規制が始まります)

 

それぞれ、製品中の最大許容濃度が決められており、

カドミニウムが100ppm、

残りの5物質は1000ppmが基準です。(2019年7月から規制が始まる4物質もこちらの基準)

ただし、有害物質を取り除くことが難しいものについては規制の対象外になっています。

 

完成品でも、製品に使われる部品や素材でも

電器・電子機器類をEU内に輸入するのならば、RoHSで指定された有害物質をこの基準値以下にしなければなりません。

 

 

このような有害物質の規制がはじまったのはEUからで、日本は勿論世界中でEUのRoHS指令をモデルにして有害物質の規制がはじまっています。

例)中国、韓国、タイ、インド、アメリカ(カリフォルニア州)、ノルウェー、トルコ、アルゼンチン など

 

 

 

 

REACH規則

「人の健康と環境の保護」や「EU化学産業の競争力の維持向上」を目的として作られたREACH規則は「Registration Evaluation Authorization and Restriction of Chemicals」の略で、

EUにおける化学物質の登録、評価、認可および制限の制度のことです。

 

2006年12月の欧州理事会で採決され、2007年6月1日に発効しました。

この制度では、化学物質の使用を禁止するのではなく、総量を管理して届出することが求められています。

 

まず前提としてREACH規則で重要になってくるワードは「SVHC(Substances of very high concern)」で、

発がん性があったり、体内で分解できず蓄積しやすかったり、変異原になったりする恐れのある高懸念物質のことです。

今後、特別な許可が必要な「認可対象物質」に指定される可能性の高い候補物質でもあります。

 

 

登録

EU内の輸入者または製造者は、

1事業所で年間1t以上、EU内に輸入・製造・使用される化学物質について、

欧州化学物質庁(ECHA)のデータベースに化学物質に関する情報を登録することが義務付けられています。

登録しなければ化学物質の製造や輸出入はできません。

 

 

評価

登録された物質は、行政庁(欧州化学物質庁およびEU加盟国)によって評価されます。

評価は、SVHCの中でもばく露があり、1事業所の中で年間使用量が100tを超える物質から優先的に行われていきます。

 

物質を登録した事業者は、情報内容によっては追試験や追加情報を求められることもありますので、注意して下さい。

 

 

制限

行政庁が化学物質を評価した結果、リスク低減が必要な場合は制限対象物質に指定されます。

制限対象物質はその名の通り、EU内での使用が制限されます。

また、特定製品への使用禁止、消費者の使用禁止、完全な禁止などの使用を禁止される場合もあります。

 

認可

上にも書きましたが、「認可対象物質」に指定されている物質は原則使用が禁止されており、もし使用する場合には認可を得なければなりません。

(認可対象物質は、SVHCの中から選ばれます)

 

届出

製品にSVHCに指定されている物質が0.1%以上含まれ、1事業所での年間取扱量が1t以上の場合は、欧州化学物質庁へ届出が必要です。

 

情報伝達

登録、認可、届出、制限などの管理する機関に対する義務とは別に、有害物質供給者は、製造過程の川下使用者に化学物質の情報を伝える必要があります。

また、消費者から要求があった場合は、製品を安全に使えるための情報を提供する義務があります。

 

 

 

 

 

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この記事へのコメント

  • mei より:

    汎用の溶剤でREACH高懸念物質に該当しているものをご教示頂けないでしょうか。
    溶剤の材料選定でREACH高懸念物質にかからないものを探しておりますが、どのサイトを見てもわかりづらく困っております。
    宜しくお願い申し上げます。

    • sankyo管理者 より:

      >>mei様

      コメントありがとうございます。
      一般的な用途に使われるような溶剤にはREACH高懸念物質に含まれる物質は含まれておりません。
      ご不安な場合、製造メーカー様にお問い合わせになるのがよいかもしれません

  • KJ より:

    コメント失礼いたします。

    アパレル業界の者です。
    中国製のポロシャツを日本で消費する場合、
    「RoHS指令」と「REACH規制」を検査した方が良い場合もあるのでしょうか。
    ご返信いただけると幸いです。

    • sankyo管理者 より:

      >>KJ様

      コメントありがとうございます。
      RoHS指令とは、EUにおける電子電気機器の特定有害物質の使用制限に関する指令になります。
      REACH規制とは、EUが制定した化学物質管理制度になりますので、
      EUで使用したり製造したりしなければ、気にされる必要はありません。
      ただ、日本国内にも化学物質の管理制度はございますので、そちらの方はご注意ください。

      • KJ より:

        ご丁寧なご回答ありがとうございます。
        理解できました。
        また何かありましたら宜しくお願い致します。

  • 山 浩 より:

    コメント失礼します。
    クロメート鍍金に含有される六価クロムのSVHC番号をご教示頂けないでしょうか?
    恐れ入りますが、宜しくお願い致します。

  • Yoshida より:

    はじめまして。ヨーロッパに輸出を検討している者です。REACHについてとても分かりやすく読ませていただきました。CEのRoHs指令パスしていてもRoHsで規制はされていない懸念物質が入っていたらEUで販売できないということですよね。
    また、REACH規則対象になる物質はSDSを見てもわかりますか。SVHCを見ないとわかりませんか。

    • sankyo管理者 より:

      >>Yoshida様

      コメントありがとうございます。
      残念ながら、REACH規制の対象になる物質はSDSだけではわからず、SVHCを確認する必要がございます。
      ご面倒をおかけいたしますが、SVHCはメーカーにご依頼いただかなければなりません。

  • ttoda より:

    非常にわかりやすい説明ありがとうございます。
    ■欧州企業への拡販を検討しているのですが、最終製品に六価クロムを使用していない(残っていない)ものの、途中の工程処理でクロムを使用している(工場の廃棄としてはでる)場合も、REACH規則の対象になるのでしょうか?
    また、2002年のWSSDにより「2020年までに、人間の健康と環境に大きな悪影響を与えない方法で化学物質の使用と生産を行うようにする」(≒使用自体を制限する)という話とREACH規則の関係がよくわかっておらず。

    • sankyo管理者 より:

      >>ttoda様

      コメントありがとうございます。
      申し訳ありません。弊社では六価クロムを扱っていないため、
      六価クロムに関するREACH規制の詳細について知見がございません。
      ご容赦くださいませ。

  • Kiyoshi より:

    REACH規制の中で、部品のクロメート処理で六価クロムをh用して良いのでしょうか?
    当然洗浄はして出荷します。

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