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化学用語解説

2026.05.01

印刷インキとは?種類や洗浄方法をわかりやすく解説

印刷インキにはさまざまな種類があります。それぞれの特徴と洗浄方法をわかりやすく解説します。

 

印刷インキには、さまざまな種類がある

印刷インキの種類

 

印刷インキとは、印刷に使うための着色剤です。

インキにはペンに使う筆記用と、印刷に使う印刷用の2種類があります。機能的にも大きな違いがあります。このうち印刷インキは、オフセット印刷やフレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷などの印刷方式の違いにより、さまざまな種類があります。それぞれ、対応する洗浄剤も異なります

そるぶ

インキは、一般的にはインクと呼ぶけど、印刷業界など、技術用語としてはインキと呼ぶことが多いよ。

印刷インキは3つの要素で構成される

印刷インキは、色料とビヒクル(ワニス)、補助剤(添加剤)の3要素で構成されます。

要素 概要
色料(色材)
  • インキに色を着ける
  • 顔料と染料に大別でき、顔料は染み込まずに対象物の上に付着し、染料は対象物に浸透
  • 顔料は塗料やプラスチック製品に対して使われ、染料は繊維やインクジェットプリンター用インキに使用
ビヒクル(ワニス)
  • 色料を印刷面に運ぶため、英語で荷車を意味するビヒクルと呼ぶ
  • 油脂類、天然樹脂、合成樹脂などを混合した液状成分で、顔料を溶解または分散して印刷面まで運び、乾燥固化、固着させる
補助剤(添加剤)
  • 滑剤や硬化剤など
  • インキの流動性や乾燥性、色調、濃度、光沢度などを調整する

印刷インキの用途による分類と対応する洗浄剤

印刷インキの用途による分類

印刷インキは、印刷素材や方法(版式)、機械、後加工の有無などにより、成分が異なります。代表的な版式とインキは次の通りです。

また、印刷の種類については別記事「印刷の種類」で詳しく解説しております。

平版インキ(オフセットインキ)

平版(へいはん)インキは、平版印刷(オフセット印刷)で用いられるインキです。水と油の反発特性を利用しており、ブランケットというゴム版にインキを付着させ、それを紙に転写して印刷します。

印刷後に、熱を加えて溶剤を乾燥させる熱乾燥や空気中の酸素との酸化重合による乾燥、UV(紫外線)を当てることで硬化させる紫外線硬化(UVインキが使われる)、インキ中の低粘度成分が新聞紙に浸透して乾燥する浸透乾燥など、さまざまな乾燥方式があります。

ポスターやカタログ、雑誌、チラシ、書籍、カレンダー、教科書、新聞紙など私たちの身近なものに多用されています

UVインキ

UVインキとは、紫外線を浴びることで瞬時に硬化するインキです。平版印刷の他、凸版印刷や孔版印刷、インクジェット印刷などでも使われます。大気汚染防止法で排出規制が実施される「揮発性有機化合物(VOC)」が少なく、環境対応型インキとして注目され、溶剤インキからの切替が進んでいます。

新聞インキ

新聞も上記のように平版印刷が使われます。しかし、圧倒的な印刷スピードに対応できるよう新聞に特化した新聞インキが使われます。新聞だけではなく、新聞と同様に印刷スピードが必要な広報誌などにも使います。

新聞インキや平版インキのほとんどで大豆油を使った大豆インキが使われていましたが、近年では食用穀物確保の観点から、大豆油以外の食物油インキの拡大が推進され始めています。

樹脂凸版インキ(フレキソインキ)

樹脂凸版インキ(フレキソインキ)は、フレキソ印刷で使うインキです。フレキソインキ印刷は、凸版印刷の一種です。弾力性がある樹脂製の版を使うため、表面に凹凸がある素材にも印刷できます。

溶剤蒸発型でソルベントタイプと水性タイプがあります。

段ボールや紙袋、包装紙、封筒の他、米袋や紙おむつの外装などのプラスチック包装材にも用いられます

グラビアインキ

グラビアインキは、凹版印刷の一つであるグラビア印刷時に用いられるインキです。濃度表現を得意としており、菓子袋などの食品容器包装(軟包装)、雑誌などの写真、化粧合板、家具、建材壁紙、携帯電話、自動車の内装などに用いられます

溶剤には主に、有機溶剤が使われており、ノントルエンタイプや水性タイプもあります。

スクリーンインキ

スクリーンインキは、スクリーン印刷で用いるインキです。スクリーン印刷は、孔版(こうはん)印刷の一つで、スクリーンと呼ばれる網目状の版に穴をあけ、そこにインクを通過させることで転写します。

紙だけでなく、ガラスやプラスチック、合成樹脂、金属、布などいかなる素材に対しても印刷できるため、紙以外に印刷する場合にも、よく利用されています。加えて、平面だけでなく瓶やコップなどの曲面にも印刷できるため、飴にチョコレートで絵柄や文字を印刷したり、車のリアウインドウへのヒーターの印刷にも活用されています

紙には乾性油などを使った酸化重合型インキ、プラスチックには合成樹脂と溶剤を使った蒸発乾燥型インキか硬化反応型インキ、ガラスには加熱融着型のインキを使います。また、液晶テレビや電子基板に、磁性を与えたり、発光させたり、特殊な効果を加えることができる特殊機能インキも使われます。

インクジェットインキ

インクジェットインキとは、インクジェット印刷に用いるインキです。インクジェット印刷は、版を使わず、インクを素材に直接吹き付ける印刷方法です。コピー用紙や写真、ポスターなどの紙だけでなく、Tシャツや横断幕なっどさまざまな素材に対応でき、家庭用からオフィス用まで幅広く普及しています。

インクジェットインキには、水溶性の水性インキ、有機溶剤を使った溶剤インキ、紫外線で硬化するUV硬化インキがあります。

印刷インキと洗浄

印刷インキのリスク

印刷インキの洗浄には、有機溶剤系の洗浄が使われます。ただし、有機溶剤には有害性が高いものも多く、労働災害につながった事例もあります。

大阪市のある印刷会社では、オフセット校正印刷作業の印刷機のローラーとブランケットの洗浄にメチレンクロライド(ジクロロメタン)を含む有機溶剤を使っていました。この作業に従事した作業者70人のうち18人が胆管がんを発症、うち9人が死亡しました。

この作業場では換気が著しく不足し、有効な防毒マスクも使っていませんでした。

この事故を受けて、印刷業界では、有機溶剤中毒予防規則(有機則)や特定化学物質障害予防規則(特化則)に該当しないような、有害性の低い洗浄剤の採用や、有機溶剤を使用する際の蒸気対策が徹底されるようになりました。

三協化学の印刷インキ洗浄剤

三協化学では、有機則や特化則に該当しない環境対応型の印刷インキ洗浄剤を各種取り揃えております。詳細は各商品ページをご覧ください。

対応するインキの種類 商品名 概要
オフセットインキ
(UV)
UVインキクリーナー
  • UVインキを洗浄するための洗浄剤
  • さまざま種類のUVインキに対応
  • 低臭タイプや有機則・特化則非該当タイプなどもある
オフセットインキ
(油性・UV)
サンクリーン
  • 有機則・特化則非該当の印刷インキ洗浄剤
  • 油性とUVに対応
  • ブランケットやローラー、インキつぼの洗浄が可能
  • さまざまなグレードがあり、ニーズに合わせた洗浄力と乾燥性に対応可能
オフセットインキ
(油性)
ミネラルクリーン
  • オフセット印刷のブランケット・ローラー用洗浄液
  • ご希望の洗浄力、価格、乾燥性、臭気、各法規制対応、部材への影響などさまざまな現場に対応できる
新聞インキ サンクリーン
  • 有機則・特化則の印刷インキ洗浄剤
  • 油性とUVに対応
  • ブランケットやローラー、インキつぼの洗浄が可能
  • さまざまなグレードがあり、ニーズに合わせた洗浄力と乾燥性に対応可能
フレキソインキ
グラビアインキ ファインソルブSB
  • 有機則・特化則非該当の樹脂溶解剤
  • 樹脂溶解力が高く、乾燥が早い
  • グラビアインキの洗浄が可能
スクリーンインキ(油性・UV) サンシルクNX
  • 有機則・特化則非該当のシルクスクリーン洗浄剤
  • スクリーン版、乳剤への影響が少ない
  • 各種インキ、ソルダーレジストに高い溶解力を発揮
  • 洗浄力と乾燥性に優れる
スクリーンインキ(油性) サンシルクHI200
  • 有機則・特化則非該当のシルクスクリーン洗浄剤
  • 油性インキの洗浄に適している
  • 消防法第一石油類非水溶性
サンシルクSA
  • 有機則・特化則非該当のシルクスクリーン洗浄剤
  • 油性インキの洗浄に適している
  • 消防法第二石油類非水溶性
サンシルクFA
  • 有機則・特化則非該当のシルクスクリーン洗浄剤
  • 油性インキの洗浄に適している
  • 消防法第二石油類非水溶性
  • サンシルクシリーズで洗浄力が最も高い
インクジェットインキ ファインソルブE
  • 有機則・特化則非該当の樹脂溶解剤
  • 樹脂溶解力が高く、乾燥が早い
  • インクジェットインキの洗浄に使用可能

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