お知らせ・お役立ち便覧 NEWS
化学用語解説
2020.04.06
成分は同じでも違うこと
新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で弊社にもたくさん不安の声が届きますが、中でも最も多いのが「〇〇会社の××という製品は、手指消毒に使えますか?」「成分が~~と書いてあるものは、手指消毒に使えますか?」というもの。
一言で申し上げますと、
弊社ではわかりません。
(上の青文字の〇〇会社というのが、弊社「三協化学」ならお話は別ですが…)
成分がわかるのに何故わからないのか
もちろんわかることもあります。メタノールや、一部防錆剤など、弊社で見て確実に害の強い成分が含まれていることが分かれば、「さては、それは手指用と書いていないですね? おやめください」と申し上げることができます。
ですが、例えば「エタノール」と一言で言っても、医薬品のエタノールなのか、工業用のエタノールなのか、食品添加物のエタノールなのか、様々なグレードがあります。プロピレングリコールやグリセリンも工業用のもの、食品添加物としてのもの、化粧品用のものなどあります。他にも、様々なグレードを持つ有機溶剤がたくさんあるのです。
アルコールの濃度、エタノールの濃度がコロナウイルスに最も効果のあるとされる70~80%だったとしても、手指に塗布できるか、どんな用途に使えるか、というのは成分だけではわかりません。
グレードとは
同じ分子のものでも、何故グレードが異なるのか。例えば鶏肉をイメージしてください。
ドッグフード用の鶏肉と、スーパーの精肉コーナーに並ぶ鶏肉、どちらも同じ鶏肉ですが、ドックフード用の鶏肉を人間は食べません。ドックフード用は犬が食べて大丈夫だと検査された製品ですが、人間が食べても大丈夫かは検査されていないからです。犬がどんなに美味しそうに食べていても人間は食べられません。
それと同じで、同じエタノールだったとしても、クリアしている検査や製造工程が、エタノールごとに異なるのです。
メーカーが誰よりも製品情報を持っている
人間でいうと、両親が子供のことをすべて知っているかというとそうではない場合もありますが、製品のことはメーカーが誰よりも製品情報を持っています。販売しているところよりも、メーカーの方が確実に持っています。開発の段階から試行錯誤をして、成分を決め、各混ぜ物のグレードを決めているわけですから、当然ですね。
そのため、製品についてわからないことはメーカーに問い合わせるのが最も正確で最も最短なルートになります。
カテゴリーから探す
キーワードから探す