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化学規制

2025.12.12

フランスの鉱物油規制とは?対象や罰則などをわかりやすく解説

フランスによる鉱物油規制について、規制対象物質や対象物などをわかりやすく解説します。

鉱物油とは?

鉱物油とは、ミネラルオイルとも呼ばれ、石油炭化水素に由来する原料から製造された油のことです。生殖毒性や発がん性物質が含まれ、有害性があるとされています

フランスの鉱物油規制とは?

フランスの鉱物油規制とは、人体の健康保護や環境保全を目的に、鉱物油を含むインキを包装材や一般印刷に使うことを禁止する制度です。

規制該当成分

規制の対象となる鉱物油は以下の通りです。

規制対象の鉱物油 規制の概要
MOAH(芳香環を1~7個含む鉱物油芳香族炭化水素) インキ中の質量濃度が0.1%を超えるもの
MOSH(炭素原子を16~35個含む鉱物油飽和炭化水素) インキ中の質量濃度が0.1%を超えるもの
MOAH(芳香環を3~7個持つ化合物)

インキ中の質量濃度が1ppmを超えるもの

上記の規制対象物質に該当する有機溶剤としては、例えばトルエンやキシレンが挙げられます(MOAHに該当)。

しかし、規制対象となるのは、対象物質が印刷物に残ってしまっている場合です。言い換えれば、上記の規制対象物質を印刷に使っていたとしても、乾燥することで出来上がった印刷物に残っていなければ規制の対象外です

トルエンは規制対象になるか

トルエンは規制対象のMOAHに該当しますが、印刷後の加熱乾燥工程で揮発して、印刷物には残らないため事実上の規制対象外となります。

ただし、印刷物に残っている場合は規制対象となるので注意が必要です。

規制対象は印刷物や包装のみ

フランスの鉱物油規制は、あくまで印刷物や包装用のみが対象。その他の製品は規制対象外。上記の規制物質が対象となるのは、あくまで包装および印刷に使うインキのみです。その他の製品に使う分には規制されていません。

具体的には包装材や商業要宣伝のための未承諾広告チラシ(ダイレクトメール)、段ボール、カタログ、一般向け印刷(取り扱い説明書、CEマーク適合証、製品やロゴに貼られたラベルを含む)などに使うインキが規制の対象となります。

フランスへの輸出には遵法宣言か不使用証明が必要

日本からフランスに印刷物や包装を輸出する場合は、鉱物油フリーであることの遵法宣言(Declaration of Compliance)か不使用証明が必要です。

違反の摘発事例

具体的な摘発事例としては、包装に鉱物油が使われているとして緑茶のティーバッグが2025年1月にリコールされました。

まとめ

  • 鉱物油とは石油炭化水素に由来する原料から製造された油のこと
  • 鉱物油には有害性がある
  • フランスの鉱物油規制の対象は印刷物と包装のみ
  • 規制の目的は、健康保護と環境保全
  • トルエンは事実上規制対象外
  • フランスへ印刷物や包装を輸出するには遵法宣言や不使用証明が必要

フランスの鉱物油規制については、お気軽に下記リンクよりお問い合わせください。

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